Professor Longhair 「Mardi Gras in Baton Rouge」(1991)

 急にニューオーリンズ・セカンドラインを聴きたくなった。

 コステロとトゥーサンのコラボ"The River in Reverse"(2006)を聴き返してたら、ニューオーリンズを聴きたくなり、ひさびさに本盤を聴き返してる。Rhinoから91年に出たコンピ。
 買ったのはたぶん94年くらい。大瀧や細野がニューオーリンズに近づいた楽曲やDr.Johnの"Gambbo"(1972)もそのころに聴いてたし、そのころに来日したトゥーサンのライブにも行った。だがピンと来なかった。同じリズムの繰り返しより、もっと何か違うビートを聴きたかった。

 この音楽が持つ、ふくよかなグルーヴの良さに気づいたのは、ここ数カ月のことかもしれない。今まで何を聴いていたのやら。

 プロフェッサー・ロングヘアは録音物でいうと50年代が全盛期。70年代に再評価されアルバムは残してたが、50年代のシングルを追わないと意味がない。するってえと、再発盤に行きつく。しかし今は、いろんな再発盤が出てるね。どれがお得かさっぱりわからない。

 では本盤。手元にCDは見つからず、細かいクレジットは分からない。Discogsで調べてみると、70年代の録音を集めたコンピとある。しまった、全盛期じゃないのか。なのにこんなに、気持ちよかったのか。 

 前の段落で言ったことが、全く意味をなさなくなった。まあいいや。
 そして本盤は、Tracks 1, 2, 8, 9と16-18が71年9月のLA録音、残る曲が72年にメンフィス録音の音源とある。後者のほうがいくぶん、ブギ色が強いかな。演奏はどっちも強力だ。当時はLPで未発表音源を、91年にライノがCD復刻だろうか。いまいち、わかってない。

 ギターはSnooks Eaglinで固定。ホーン隊も両セッションで同じだ。ドラムは前者のセッションがミーターズのジョゼフ・モデリステ。後者はEdward "Shiba" Kimbrough。
 ベースは前者が"Tell It Like It Is"の作曲者でもあるGeorge Davisが弾いてる。後者はWill Harvey。後者のドラムとベースはロングヘアのライブ・バンドメンバーだろうか。


 今感じてる彼の魅力は、跳ねるピアノとうわずり気味のボーカル。ブギを基調にアドリブ・フレーズをさほど入れず、軽やかに鍵盤を叩いた。
 シンコペートするベースと、拍裏を刻むシンバル。バックビート強調のリズムへ、ピアノが拍頭の音を載せると軽やかに響く。ピアノのフレーズも基本は拍裏から駆け上がる。
 彼が50年代のニューオーリンズ・ミュージックを支えた一人。この後継がDr.Johnでありアラン・トゥーサン、ミーターズやネヴィル・ブラザーズ。さらに次の世代がダーティ・ダズン・ブラス・バンドとかだろうか。

 本盤を通してリズム・パターンはほぼ同じ。テンポもあまり変わらず、メロディも突飛な違いをそれぞれの曲で出してるわけじゃ無い。あくまで基本はリズム。ブルーズとブギ、セカンドラインとR&B。ややこしい複雑さより持続する心地よさ、それが本盤の魅力だ。
 緩やかなうねるグルーヴと、甲高くよく通るロングヘアの声。かっこいいなあ。たぶん90年代のぼくは今よりもっと、ダンス・ビートに鈍感だったんだろう。

 さて、では冒頭の宣言通り50年代の全盛期なロングヘアを聴きすすめよう。Youtubeに当然、いくつも音源は上がってる。
 

 あとは、コンピ盤か。これはAmazon表記だとCD1枚だが、実はCD二枚組っぽい。このクレジットがもし正しいなら、46曲入りで、本盤が手っ取り早そうだけど・・・。


 これも廉価盤。MP3だと31曲入り900円。CDだと2枚組だ。数曲削ってCD1枚にまとめたらいいのに。
 

 MP3のAmazonだと、玉石混交過ぎてよくわからん。ざっと見た限り、まず聴くならこのあたりか。
 左から順にまず"No Buts, No Maybes. Hot in New Orleans!."。49-57年集で、28曲入り。
 "Cuttin' Out"はアルファベット順の曲目並びが凄いが、41曲入りのボリューム。
 "Professor Longhair Story - New Orleans Blues"は47曲入り。コスト・パフォーマンスは良さそう。

  

 ミュージシャンへの知識が無いため、一曲当たりいくらって廉価版のほうに興味が言ってしまう。本当はクレジットや解説を読みながら理解を深めたい。MP3でもPDFのクレジットつけてくれればいいのに。そうなるとCDのほうになる。英語だと、読めずに理解は深まらないが。

 あとはもちろん、音質。マスタリングも含めて。なおさらMP3販売はよくわからん。あまり悩まずパパッと聴き進め、そのあとに取捨選択が本論だ。効率重視で最短距離かつ一気呵成に結論へたどり着くのは、趣味の愉しみかたとは言い難い。
 たとえ無駄があっても、じわじわと知識を深めるものと思うが・・・どうもせわしなく、ぱぱっと美味しいものに飛びつこうとしてしまう。いかんね。もっと心に余裕を持たんと。

 慌てふためいて短兵急に全貌を掴もうって性急さこそ、ニューオーリンズ・セカンドラインの寛いだグルーヴにふさわしくないよな。

Track listing:
 1. Mardi Gras In New Orleans
2. Jambalaya (On The Bayou)
3. Since I Met You Baby
4. Her Mind Is Gone
5. Cry To Me
6. Meet Me Tomorrow Night
7. She Ain't Got No Hair
8. Tipitina
9. Fats Domino Medley: Goin' Home/You Know I Miss You/ Rockin' Chair/Goin' To The River
10. Mean Old World
11. Sick And Tired
12. Hey Now Baby
13. There Is Something On Your Mind
14. Doin' It
15. Rum And Coca-Cola
16. Whole Lotta Loving
17. Gone So Long
18. How Long Has That Train Been Gone

Personnel:
Piano,Vo - Professor Longhair
Bass – George Davis (tracks: 3, 4, 5, 6, 7, 10, 11, 12, 13, 14, 15), Will Harvey (tracks: 1, 2, 8, 9, 16, 17, 18)
Drums – Joseph Modeliste (tracks: 3, 4, 5, 6, 7, 10, 11, 12, 13, 14, 15), Shiba (tracks: 1, 2, 8, 9, 16, 17, 18)
Guitar – Snooks Eaglin
Tenor Saxophone – Alvin Batiste
Trumpet – Clyde Kerr Jr., Willie Singleton
Baritone Saxophone – Kidd Jordan

Tracks 1, 2, 8, 9 and 16-18 recorded at Deep South Recorders, Baton Rouge, LA, September 1971
Tracks 3-7 and 10-15 recorded at Ardent Studios, Memphis, TN, June 1972

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