4 Lust (1987)【Prince未発表曲】

 ピュアで可愛らしい小品。ジル・ジョーンズのための曲らしい。

 Prince Vaultによればジルが2011年4月27日に、自らのFacebookで発表まで知られていない曲だったそう。なんでも彼女の"Jill Jones"(1987)用に録音するも、アルバム企画ごとボツったという。
 
 87年末にペイズリー・パークで基本は録音され、翌年1月29日にNYのスタジオで弦をダビングとある。なぜここまでPrince Vaultは日時を特定できるのか。まあいいや。
 
 ジルの伸びやかなボーカルは、時にダブル・トラックになり迫力を増す。プリンスも声を重ねて、温かく広がるミドル・テンポのファンク。基本は打ち込みビート、シンセが薄くかぶってデモめいた仕上がりが上記のテイクになる。

 妙に素人臭い口笛が入ったり、ラフな仕上がり。曲調もシンプルで強烈なフックは無い。プリンスとのデュオを鳴り物入りで喧伝するには地味な曲と思う。
 けれども寛いだ親密さを演出、の視点で聴くなら愛おしさがひときわ増す。

 時代、さらに当時のプリンスの趣味である、ドタスカと硬質に鳴るのが邪魔なくらい。ジルは歴代のプリンスの周りにいた女性の中でも、シーラ・Eと並び立つ存在感があった。対等まで行きかけたと思う。そんな力強く歌の才能を持った彼女への優しさと、プリンスの愛情がにじみでる一曲。


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