V.A. 「Intonarumori Orchestra」(2004)

 騒音楽器を操つる02年のイベントを収録した、ライブ盤。

 オフサイトを過去に主宰し、蛍光灯楽器のオプトロン奏者な伊東篤広。彼がキュレートた多摩美大美術館でのライブを収録した。

 イントナルモーリとは、00年初頭にイタリアで起こった芸術の一派、未来派のメンバーであるルイジ・ロッソロが開発した楽器の総称という。歯車などに連結したハンドルをまわし、音を出すしくみらしい。


 ならば出てくる音程はおそらく、だれがやっても均一。どう音を連続させるか、にセンスが現れるのだろう。
 本盤に参加のメンバーはオフサイトの人脈で、馴染み深いメンバーたち。すなわち伊東篤弘本人に、Sachiko M、秋山徹二、中村としまる、大友良英、杉本拓。

 あまちゃん経由で大友良英の知名度が突出したが、未だに仲良く共演を重ねている。今ならFutarri人脈とも言えるかも。非楽器のノイズを音響的に扱うことに長けたメンバーたちだ。

 本盤の楽器は合計16台のイントナルモーリ楽器が並べられたらしい。各ミュージシャンの作曲を、いろんなメンバーの組み合わせで演奏した。詳しい参加ミュージシャンは後述の通り。Sachiko Mのように文字通りソロから、オーケストレーションを選んだメンバーまでさまざまだ。

 一聴して似たような響きだけれど。個々人の好みが滲んで面白い。
 連続するノイズへ没入する伊東、間を存分に生かしたSachiko M。フレージングを探るような秋山に、断続音のつぶやきにこだわるような中村。

 自らの楽曲"Anode"と関連付け、グッと自分の世界へイントナルモーリを引き寄せた大友。ここでは賑やかかつ最も無秩序なノイズが表出した。
 そしてたっぷりと時間を取って、杉本。無音も十分に活用する、独特の世界を表した。静かだが、むしろ普段より音数が多いかもしれない。

 楽器演奏は主眼でなく手段。いかにノイズへ対峙するかのスタンスは、ひとそれぞれ異なる。むしろメロディを出しづらいイントナルモーリのフィルターを通すことで、色々とミュージシャンの個性が明らかになって、興味深い。
 音色が似かよってしまうのが、玉に傷だなあ。

Track listing:
1.-伊東篤広 Russolo Phone 8:25
* [Crepitatore] - 大友良英
* [Rombatore] - 中村としまる
* [Ronzatore] - 伊東篤広
* [Scoppiatore] - 秋山徹二
* [Stropicciatore] - 杉本拓
* [Ululatore] - Sachiko M

2-Sachiko M Intonarumori 5:22
* [Ululatore, Crepitatore, Scoppiatore, Rombatore, Stropicciatore, Ronzatore] - Sachiko M

3-秋山徹二 Future Circuit 7:42
* [Crepitatore] - 伊東篤広
* [Rombatore] - 大友良英
* [Ronzatore] - 中村としまる
* [Scoppiatore] - 秋山徹二
* [Stropicciatore] - 杉本拓
* [Ululatore] - Sachiko M

4-中村としまる Disk 9:20

* [Stropicciatore] - 杉本拓

5-大友良英 Anode #4 7:50
* [Crepitatore] - 中村としまる
* [Rombatore] - 伊東篤広
* [Ronzatore] - 杉本拓
* [Scoppiatore] - 秋山徹二
* [Stropicciatore] - Sachiko M
* [Ululatore] - 大友良英

6-杉本拓 All About Something 2 14:06
* [Scoppiatore] - 秋山徹二
* [Stropicciatore] - 中村としまる
* [Ululatore] - 大友良英

Engineer - 杉本拓, 秋山徹二
Mastered By - 中村としまる

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