Jamie Saft 「The New Standard」(2014)

 まっとうなアプローチで、新たなスタンダードを狙ったピアノ・トリオ。

 ジョン・ゾーン界隈で名を知った鍵盤奏者、ジェイミー・サフトがベテラン二人と組んだピアノ・トリオ。作曲の主導権はかなりサフトが取ってるけれど、いちおうスティーブ・スワロー(b)、 ボビー・プレバイト(ds)と対等なトリオ編成らしい。

 英Rare Noiseからのリリースで、今のところ唯一のアルバム。全10曲中、カバーは無し。三人の共作が(3)(5)(9)で、あとはすべてサフトのオリジナル曲。
 メロディはじわっと粘りがあるけれど。ユダヤ文化など、あまりアイデンティティは主張してなさそう。まっとうでしっかりと歌わせる旋律は、まっすぐにジャズを表現した。
 2トラックのアナログにダイレクト録音を施しており、昔ながらの骨太さを意識のようだ。すなわち、ダビング無し。真正直なトリオ・ジャズが聴ける。

 ロマンティックな斬り合いのアンサンブル。甘い予定調和に留まらぬスリルがあるのは、三人ならではの個性ってわけか。
 Steve Swallowはあまり聴いたことなかったが、カーラ・ブレイなどと共演歴あるそう。本盤ではエレべを操り、妙にびよんと粘っこい音色でまとわりつくようなランニング・フレーズを聴かせる。

 プレバイトはゾーンやE#らと共演から、もっとフリーな演奏を想像してた。本盤は特にむやみに暴れず、着実で頼もしい4ビートを刻む。手数はむやみに膨らませない。
 ずしんと重たい響きを多用し、がっちりとリズムを操った。
 
 テクニカルで脂っこいフレージングが得意なサフトのピアノと相まって、本トリオの演奏はすごく柔軟性がある。
 曲によってサフトはオルガンを演奏し、したたかなグルーヴも披露した。(8)でのファンキーなオルガンっぷりがたまらない。

 特に変なフレーズやリズムが無くても、彼らの演奏はどこかしぶとい情感がある。いわゆるお仕事っぽいあざとさや、おざなりさが無い。耳触りの良いきれいなフレージングに頼らず、フリーの力技にも逃げない。
 ミドル・テンポだと、ひときわ表情豊かだ。

 2015年7月25日スペインはサン・セバスティアンでのライブ映像があった。

 
Track listing:
1.Clarissa 4:08
2.Minor Soul 6:50
3.Step Lively 6:50
4.Clearing 4:55
5.Trek 4:11
6.The New Standard 6:40
7.I See No Leader 5:41
8.Blue Shuffle 6:44
9.All Things To All People 6:11
10.Surrender The Chase 6:28

Personnel:
Drums - Bobby Previte
Electric Bass - Steve Swallow
Piano, Organ - Jamie Saft

Producer - Bobby Previte, Jamie Saft
Recorded By, Mixed By - Joe Ferla

Recorded and mixed direct to 2-track Analog at Potterville International Sound, NY

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