Lisa (1980)【Prince未発表曲】

 シンプルなファンクは狙いか、デモなだけか。

 Prince Vaultによれば80年8月4日に米議会図書館へ著作権登録のため納品された音源、という。本曲のアレンジはリズム・ボックスを中心に鍵盤でベースや上物を足した。終盤でちょこっと複雑なリズムやギターが足されたり、ファンク的な工夫が散見されるけれど、前半は至極あっさり。

 著作権登録用に、とりあえずでっち上げた演奏とも思える。ボーカルはダビングを重ねてるが、やっつけ仕事っぽさも。
 "Dirty Mind"の録音時期に取られた曲らしい。ならばあの盤で聴ける、骨太でシンプルな鍵盤活用ファンクのアレンジとして、意図的なアレンジとも解釈できる。うーん、デモ的な録音とここでは解釈しようか。

 ハイトーンの歌と同じ譜割で、低音でメロディをなぞる。低音はテープ操作のように非人間的な声で、微妙に上の音域と馴染まない。これが奇妙なグルーヴを作った。
 ハーモニーでは女性ボーカルっぽい声も聴こえるが、実際はプリンスの多重録音かな?

 面白いのは歌が進むにつれ、どんどん盛り上がりが増すこと。シンプルながら一発録りではない。Aメロ、サビと作っていき、アイディアを後半で足していったってことか。
 大人しいボーカルも後半はシャウトに変わり、単なる著作権登録のデモとも思えぬ熱のこもりっぷり。
 
 チープな音色のシンセが飛び交う終盤のインスト・アレンジは、本音源がひどい音質なことも相まって、奇妙なキュートさを演出してる。これもちゃんとした音質で聴いたら、印象が変わりそう。

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