GP Wu 「Don't Go Against the Grain」(1998)

 ウータン・クランがらみで多数あるグループの一つ、GP Wuが唯一残したアルバム。久々に聴き返したら、かっこよかった。

 サンプリングは控えめ。リズム中心にわずかなフレーズでビートを効かせたストイックなトラックに、4人のラップが飛び交う。

 ウー一派であるけれど、本隊とどんな人間関係かは知らない。リアルタイムで聴いてた時は、妙に低予算に聴こえた。飾りっ気なく、硬くてそっけない印象だったから。
 もっともアルバム冒頭こそ低予算風に簡素なアレンジだか、聴き進めるにつれトラックは凝っていく。いずれにせよ音数少ないのは変わらないけれど。

 メンバー4人、Down Low Recka, June Luva, Pop Da Brown Hornet, Rubberbandsのうちラッパーで目立つのはPop Da Brown Hornet。本盤のあと、00年に単独アルバムをリリースした。もっとも本盤は未聴、その後の活動も良くわからない。

Pop Da Brown Hornet "Undaground Emperor"(2000)


 サウンドではDown Low Reckaが主導権を取った。14曲中8曲でプロデュースを担当、簡素なトラックだが刺激的なアレンジを施す。残る曲のうち、4曲はウータンの古なじみRNSが担当。残る一曲をChris Barnett が担当。この人は、良く知らない。

 ゲスト・ラッパーを招かず4人のマイクリレーで楽曲を構築する。野太い声から高めの滑らかさまで一応バラエティに富んだ声質を揃えた。曲によってはクレジット無いが女声もアレンジに取り入れ、あまり金をかけずに多彩さを出す工夫あり。
 むしろ豪華絢爛な一軍や直系二軍に比べて、本盤みたいなほうが生々しいスリルあっていいかも、と思い始めた。

 そう、プロデューサー三人体制ながら本盤は統一性がある。まずウータンらしさを見事に体現した。やさぐれてヒリヒリ。粘るノリと煙った胡散臭いムードが全編を覆う。ウータン1stでのムードに通じる香りあり。
 さらにハイハットのリズム感が、RZA直系っぽい。ぱしゃぱしゃの薄くチープな音色も、リズムのタイム感も。
 本盤のハイハットは打ち込みかもしれないが、RZA風にハイハットはサンプラーのパッドを指でリアルタイムに叩いて鳴らしてるように、聴こえてならない。この基礎となるリズム感こそが、まさにウータン系列だった。

 しかしアルバム1枚のわりに(2)、(5)、(7)、(14)とシングル4曲。カップリングで(6)、(8)、(9)と、結局ほとんどがシングルがらみでリリースされた。
 さらに意外とPVが3曲もYoutubeにあって、びっくり。
  

 B級、ではある。しかし手すさびに終わらぬ凄みとしたたかさは、本盤に詰まってる。改めて、聴き直す価値のある盤だ。



Track listing:
1. Smoking
2. 1st Thing First 
3. Two Gats Up
4. Blow Up
5. Party People
6. If You Only Knew
7. Hit Me With That Shit
8. Hip Hop
9. Chamber Danger
10. Underground Emperor
11. Life Bid
12. Don't Go Against The Grain
13. Things Ain't What They Used To Be
14. Black On Black Crime

Personnel:
GP Wu;Down Low Recka, June Luva, Pop Da Brown Hornet, Rubberbands

Recorded By - Chris Barnett (tracks: 6), DLR (tracks: 1, 3 to 5, 7, 8, 11 to 13), RNS (tracks: 2,9,10,14)

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