Timbuk 3 「Greetings from Timbuk3」(1986)

 今だと、ごく自然なオルタナ・カントリー。彼らは10年早かった。

 当時、一世を風靡した夫婦デュオの1st。ピーター・バラカンが好意的に推してた印象ある。リズム・ボックスとギターの簡素なアレンジで、ロック風ながら打ち込みビートって構成が当時は斬新で異様だった。ベックを通過した今聴きなおすと、何とも普通に聴こえて面白かった。

 一世を風靡と言っても、アルバムが50位くらい。1st シングル"The Future's So Bright, I Gotta Wear Shades"が20位くらいの中ヒット。2nd "Life Is Hard"が35位まで行ったが、あとはパッとしなかったみたい。アルバム5枚を出し、スタジオ盤は約10年後の95年が最後だ。
 ぼくはほとんどの盤を聴いたが、どうにも2nd以降はピンとこず、片端から手放してしまった。久しぶりに1stを聴き返してる。

[Discography]
1986 Greetings from Timbuk3
1988 Eden Alley
1989 Edge of Allegiance
1991 Big Shot in the Dark
1993  Espace Ornano <ライブ盤>
1993 Looks Like Dark to Me (EP)
1995 A Hundred Lovers
2011  Live from Austin City Limits <ライブ盤>

 むしろ今はプレミアついてるみたいだ。
      

 硬くゲートかかったドラムの音色は、まあ時代のあだ花。単にエイトビートでなく、ちょっとひっかけるリズム譜面は、無造作な打ち込みの賑やかしでなくアレンジをきっちり意識して作ってた。今更気が付いた。
 アコギのシンプルなストロークも、弾き倒しではない。メリハリを意識した。そこへハーモニカなどで色を付ける。エレキギターもさりげなく足し、厚みを出す。足し算でなく、引き算の論理。

 さらにニューウェーブへのカントリー的な回答、とも言える。生演奏とのどかなムードがカントリーの一要素としたら、そこへヒリヒリした緊張と電気仕掛けのタイトさを足しこんだ。
 この盤にはトーキング・ヘッズとの共通性を感じてならない。ヘッズは"True Stories "(1986)と全く同時期に、似たような盤を出していた。


 ・・・といいつつ、WikiみるとTimbuk 3ってポスト・パンクのニューウェーブなバンドとカテゴライズされているのだが。
 (9)なんて、がっつりニューウェーブなノリだしな。

 この盤はアイディアを次々音盤化する、ダイナミックな躍動感にあふれてる。メロディものどかな一方で、キャッチーに耳へ滑り込んでくるものばかり。口ずさむよりも、聴かせるメロディ。つまり歌いくちや構造そのもので聴かせる。

 簡素な音でも丁寧に、職人的な作りこみのアルバムだ。
 今回知ったが、Timbuk 3って少なくとも2011年とつい最近までWebを作り更新がなされてた。2011年のインタビューって読んでみたかったが、リンク先が死んでて残念。
http://www.timbuk3music.net/index.htm
 のちにTimbuk 3は4人編成になったが、当初の二人はPat MacDonaldとBarbara Kooyman(Barbara K)。今は別の道を歩んでるようだ。このインタビューによれば・・・。
http://www.timbuk3music.net/Now.htm

 Pat MacDonaldは数枚のアルバムがAmazonで出てくる。簡素なアレンジだが、本質はロックかな。


   

 Barbara Kooymanはアルバム数枚出してるようだが、Amazonですぐに引っかからず。この2011年の映像見る限り、カントリー的な持ち味っぽい。


 ティムバック3とはまさに、この二人の蜜月で互いの要素が合体したからこそ、生まれた音楽だったらしい。こういうまとめ方は乱暴で好みじゃないのだが、それぞれの音聞いたら、ちょっとそう思ってしまった。
 
 電気仕掛けのシンプルなビートで溌剌と支え、二人の歌声がきゅっとぶつかるハーモニーを生かした歌声は、斬新だった。
 あとのアルバムも聴き返してみようかな。今なら違う感想を持つかもしれない。


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