1984/6/7の誕生日プリンス。

 あらゆる意味で貴重な音源。こういうのがオフィシャルで容易に聴ける日が来るのを望む。

「プリンス 1984/6/7バースデイ・パーティ・ショーのフルセット・ライヴ音源14曲が無料ダウンロード可」
http://amass.jp/73517/
 amassの記事があった。ブログとしてのamassは体裁がとても綺麗だし、基本的に公式音源を紹介が中心だからつい勘違いするけれど、これはブートだ。

 84年6月7日に、プリンスが26歳のバースデイ・ライブを行った貴重な音源。今回発掘ではなく、以前からデータはネットにあったし音源もマニア間では流通してたようだ。録音時期を見てみよう。

1983/4/10 1999ツアー終了
8/3  First Avenueライブ(パープル・レイン他をライブ録音)
9/17  "Delirious"シングル発売
11/23 "Let's Pretend We're Married"シングル発売("1999"からラスト・シングル)

1984/5/16 "When Doves cry"シングル発売
6/7  【本音源】
6/25 パープル・レイン発売
6/27 映画パープル・レイン封切り
11/4 パープル・レイン・ツアー開始

 こういう時系列を整理したサイトがあると、とても便利だ。
https://sites.google.com/site/princediscog/home/discography/1984

 つまり83年はアルバムこそ出なかったが、1999ツアーを春に終わらせて、ワーナーはシングルを継続的に切って、83年は"1999"を丁寧に売ろうと試みていた。
 プリンスは8月のライブ録音をしたり映画"パープル・レイン"の準備を着々と進めてる。映画音楽として100曲とも言われる完成曲を録りためていたとのうわさもある。
 
 そして準備がぜんぶ整って1stシングルも切った誕生日、おもむろにこのライブは行われた。パープル・レインでプリンスを知ったぼくはこのときのプリンスの人気度合いがイメージつかめていなかったが、1万人クラスのアリーナ・レベルも含んで1999ツアーは行われており、既にスターの仲間入りはしてたと思われる。

 ましてや地元。動員は凄かろう。しかも地元会場のFirst Avenueはキャパ1200人程度のハコ。赤坂BLITZやリキッドルームくらいのイメージだ。普通にチケット売ったら大騒ぎになった様子で、Prince Vault掲載のチケット写真によれば「メンバーズ・パーティ」として限られた販売がなされたようだ。
https://www.princevault.com/index.php?title=07_June_1984
 このPrince Vaultの記述によれば文字通りのプリンス生誕パーティも、ライブ後に行われたとある。皿やナプキンなどもすべて紫。巨大なバースデー・ケーキは紫の音符で飾られたという。
 
 プリンスとしては初の誕生日ライブで、きっちりコーディネートした生誕祭。"パープル・レイン"でもう一段のステップ・アップを狙う情熱を胸に秘めた、さぞかし誇らしい一日だったろう。実際、たぶん予想以上の特大ヒットで一躍セレブの仲間入りしたわけだし。

 そんな記念すべき一日ゆえか、セットリストも大盤振る舞い。レア曲満載の凄まじいライブとなった。約80分の演奏だ。まずは見て欲しい。

<セットリスト>
1.Shortberry strawcake (PA) (0:57)
2.17 Days (5:24)
3.Our Destiny (3:24)
4.Roadhouse Garden (4:45)
5. "Interlude" (1:21)
6.All Day, All Night (5:42)
7.Free (4:40)
8.Noon Rendezvous (9:02)
9.Erotic City (incl;Positivity,All The Critics Love U In New York) (9:02)
10.Something in the Water (Does Not Compute) (10:10)
11.When Doves Cry (11:37)

Encore:
12. "happy birthday" (2:27)
13.Irresistible Bitch (6:08)
14.Possessed (5:49)

 見慣れた曲はほとんどない、と思う。そして録音日を振り返って欲しい。84/6/7日だ。"パープル・レイン"の発売前だ。
 "1999"から(7),(10)。"パープル・レイン"から数日前に発売の(11)。初披露が(3),(4),(6),(9)とライブ本編のほぼ半数。しかも(3)と(4)はいまだに公式未発表だ。
 (2)は"When Doves Cry"のB面、(13)は前年に発表"Let's Pretend We're Married"のB面で一応この時点では発表済み。

 (9)は"Let's Go Crazy"のB面だから誰も知らない。しかもリフで"Positivity"のフレーズが。5年後(!)の"Lovesexy"(1988)でようやく楽曲になった。こんな昔から、このフレーズのアイディアあったのか。
 同曲で"All The Critics Love U In New York"のフレーズをギターで弾くお遊びもあり。

 なお(14)もこの時代の曲。アルバムには未収録、パープル・レイン・ツアーのライブ映像でしか公式が発表無い。

 さらに(1)は本ライブ6/7の数日前、6/4に発売なシーラ・Eの1stアルバム"The Glamorous Life"に収録曲。この盤も、実際はプリンスの録音だ。投げっぱなしにせず、チャンスがあればプロモーションも気を配ってたみたい。実際(8)も本盤から。歌ってるのはプリンスで、一方的にシーラ・Eを目立たせないが。
 (6)は本年の3年後(!)にJill Jonesのソロ名義"All Day, All Night"でようやく音盤化された。

 ややこしいね。要するに、ほっとんどがレア曲ばかり。ヒット曲まるでなし。このライブ音源でしか、いまだに聴けない楽曲まであるってこと。"Roadhouse Garden"のスタジオ音源って存在するの?
 どんだけ、音源レパートリーがあったんだろうと呆然とするセットリスト。

 この音源はサウンドボードが残っており、音質はまあまあ。8+くらいか。イヤフォンだと音質にちょっと難ありだが、スピーカーならばちょっとこもってるかな?くらい。普通はまず気にならない。

 なんかやたら長くなった。このへんにしとこう。
 聴く機会あったら、ぜひ。"パープル・レイン"などを録音した83/8/3のギラギラしたライブとはちょっと違う。寛ぎつつも鷹揚に新曲を連発して楽しむ弾けた演奏が楽しめるこの日のライブだ。

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