Moonbeam Levels (1982)【Prince未発表曲】

 ドラマティックな展開が美しい。死後初のBEST盤"Forever"で発表された。この曲は最後に"He don't really wanna die"と繰り返される。残念なプリンスの死という現在のシチュエーションも踏まえ、この曲の発売が選ばれた、のだろうな。

 "1999"時代のアウトテイク。("Rave Un2 The Joy Fantastic"(1999)とは別の未発表アルバム。ややこしいが)"Rave Unto The Joy Fantastic"(1989)に収録も予定されたが、アルバム自体がボツってそのまま未発表曲に。
 
 "1999"に収録予定は最初からなかったのは、楽曲が4分程度と短めだったためか。"1999"はもう少し長い尺をコンセプトの一つにしてたっぽいし。とはいえボツったのが不思議なポップな楽曲。"Purple Rain"に入れても良かったか・・・いやいや、あのアルバムは完成している。ならば、と考えたら、やはり入る余地がない。

 プリンス流のミドルテンポなファンクで、むせび泣くようにしゃくる歌声が美しい。ドラムは当時の独特なシンセ・ドラムな響き。流出した楽曲は音質が悪いため全貌が掴みづらいが、みっしりとコーラスをダビングしてギターらしき響きで小節の頭を叩き、ゆっくりと楽曲を縁取った。
 背後に歪んだギターも配置し、くるくるとコードが転換する華やかな作りだ。行進曲のよう。終盤で喉を潰したプリンスのシャウトも飛び出す。
 やはり当時は未発表で、"Crystal Ball"にて蔵出しされた"Crucial"(1986)あたりと親和性がありそう。

 分厚いオケ一辺倒ではなく、場面ごとに楽器の量を抜き差しして、シンプルなメロディなのに恐ろしくドラマティックな世界を描いた。ピアノで淡々と4つ打ちするフレージングに、ばらりとギターをかぶせるアレンジも大胆で良い。

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