Heaven (1985)【Prince未発表曲】

 プリンス流のシンセ・ドラムが響くファンク。"Purple Rain"時期に回帰っぽい。それでボツったか。

 85年に録音、"Parade"は収録が終わり次のプロジェクトに向かうはざまで、特定のコンセプトなしに録音らしい。
 7分越えと長めなわりに、意外と起伏は少ない。バンド的なアンサンブルで、"Purple Rain"~"Around the world in a day"時期をほうふつとさせる、乾いたファンクだ。常に先を見て尖りまくってたプリンスだが、実際にはこういう試行錯誤めいたサウンドも折々に録音してたことが興味深い。

 ブレイクやリズムを強調など、ライブ的な展開はそこかしこに。しかしメロディはあまり無く、淡々と進んでいく。打ち込みビートがむしろ冷徹に響き、今一つ覇気がない。
 終盤に手弾きでシンセを閃かせたり、色々と小技は入れている。バンド演奏に向かうデモ的な録音だったのかもしれない。
 でもプリンスのことだから、特に発表の当てもなくアイディアを思うまま録音でも不思議じゃない。

 前半は淡々と感じたが、最後まで通して聴いてると、テクノに通じる酩酊感を覚えてきた。テンポは一定だがベースはときどきウネウネとフレーズを遊ばせる。
 イントロも唐突に始まるから、リズム・パターンをまず作り、片端からダビングだろうか。冒頭の歌声も、ダブル・トラックだったり別の男っぽい低音を重ねたり、録りっぱなしでなく工夫をしてる。

 前半は歌もののアイディアを込め、後半はインストの可能性を探る。そんな二面性を持った曲。
 雰囲気には"All The Critics Love U In New York"(1982:"1999")を連想した。

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