Plas Johnson 「The Blues」(1976)

 スタンダードを並べて、ほんのり煙ったブルージーさを見事に甘くコーティング。丁寧な演奏で渋く香る大人のBGMなジャズに仕上げた。
 

 いったんはCD化されるも、今は廃盤のようだ。最初はフュージョンかと思ったが、もっとスムーズ・ジャズ寄りのようだ。いわゆる刺激やスリルは無いが、ダンディで安定したサウンドを求める人には、似合うと思う。しかつめらしく腕組みしてハードなジャズに浸る一方で、こういう音楽も必要だ。
 
 リーダーのプラス・ジョンソンはヘンリー・マンシーニ楽団で、"ピンク・パンサーのテーマ"を吹いた人。これね。

 もともと売れっ子スタジオ・ミュージシャンで、シナトラなどの歌伴を担当。リーダー作はコンコードから数枚出ている。本盤のサイドメンはレイ・ブラウンやハーブ・エリス、ジェイク・ハナなど手堅く洗練された奏者ぞろい。
 コンガを入れリズムを補強し、エレピでスマートさを強調したアンサンブルだ。
 
 甘やかなエレピとシャープなハイハットが素地を作り、ベースがゆったりとうねる。
 ジョンソンのテナーは、野太く柔らかい。あまり音をふくよかにまとめず、柔らかいリードでサブトーンをわずかに滲ませた。

 アルバムを通して、丁々発止の斬り合いや炸裂しそうなブロウは無い。ホンク的にサックスを軋ませる時も、すべてが計算でテクニックのひとつ。けれどもタイトル通りブルーズを洗練させ、小粋で軽やかにまとめるセンスは確か。
 もともとビジネスとしてのジャズの側面は、こういうのが主体。ビバップやハード・バップはむしろ傍流だろう。
 
 発売元のコンコードじたい、そんな感じのレーベルだ。コンコードはCarl E. Jeffersonをオーナーに、72年に活動開始。代表的なミュージシャンにケニー・Gがいる。ちなみに彼は循環呼吸の世界記録を持ってるとか。敢えてアルバムをたどって聴きたくなるほど、枯れてはいないが・・・。
 いまはスタックスがやファンタジー、すなわちプレスティッジやリバーサイドも、傘下にいるようだ。コンコード・ミュージックとして巨大レーベルになっている。
http://www.concordmusicgroup.com/ 

Track listing:
A1 Our Day Will Come 6:25
A2 Georgia On My Mind 4:27
A3 Bucket O' Blues 2:25
A4 Please Send Me Someone To Love 5:09
B1 Parking Lot Blues 7:51
B2 Don't You Know Little Girl 4:33
B3 Tim Timee After 3:42
B4 Ones More For Johnny 4:44

Personnel:
Tenor Saxophone - Plas Johnson
Bass - Ray Brown
Congas - Bobby Hall
Drums - Jake Hanna
Guitar - Herb Ellis
Keyboards - Mike Melvoin

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