Adonis And Bathsheba (1986)【Prince未発表曲】

 やけにドラマティックで、ミュージカルが似合いそうな曲。

 86年の録音で"Parade"の発表後、"Sign O' The Times"に向けて"Dream Factory"や"Camille","Crystal Ball"といったプロジェクトが浮かんでは消えてた時代の曲という。

 もっともPrince Vaultによればこの曲は、それらのいずれにも発表の予定は無く埋もれたままという。いくぶん地味なところが避けられたか。センチメンタルに過ぎたか。
 ファルセット気味の音域がたぶん、主旋律。幾本も重なったハーモニーがメロディの立ち位置をあいまいにする、プリンス一流のアレンジが施された。

 ドラムはおそらく生。ベースは中盤からおもむろに立ち上がった。つまりミックスもきっちり練られた音源が流出してる。ブラスはエリック・リーズとアトランタ・ブリスが重ねてるらしい。
 
 中盤からエレキギターのソロも出てきた。ちょっと食い足りないパンチ力だが、まさに時代の音楽を塗り替えてた時期の楽曲で、朗々たる迫力が素晴らしい。
 ベースが立ち上り、フルートがギターのカウンターでフレーズを重ねる。ぐいぐい盛り上がっていった。"Parade"でのナルシスティックなムードには似合ったかもしれないな。

 没になったのがわからないでもない、華の無さも事実だが。リズムが少々ベタっとしてるようにも感じる。でも改めると、しみじみ聴いてしまう。
 とにかくメロディよりも演奏が肝。たっぷりと泣きのギター・ソロが入ってる。ドラムは後半から、跳ね気味にリズムをとる。これもプリンス?シーラ・Eにも聴こえる。

 ファンの間では有名な曲だったらしい。NPG RecordsのWEBで00年に"Crystal Ball Volume II"の選曲投票の企画が行われたとき、この曲も載っていたという。当時、このサイトはあまりに重くダイヤル・アップでは歯が立たなかった。だからほとんど、この時期のサイトは見てなく、その時の様子はコメントできず。

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