The Grand Progression (1987)【Prince未発表曲】

 "Graffiti Bridge"(1990)のアウトテイクと言われる、切ないバラード。

 基本トラックは87年の秋にプリンスが多重録音、89年にMichael.Bがドラムをオーバーダブという。ここで聴けるのはドラム無し。Youtubeには他に数種類、この曲が上がっていたが、ドラム入りが聴けるテイクは見当たらず。

 シンセをストリングスのように絡ませ、ピアノで補強するロマンティックさ。シンセの音色は素直なパッド風味で、エコー感も薄い。イントロの上下する二音の単調なほどの柔らかさ、ぐっと強く鳴る締まりっぷりも素敵だ。

 穏やかにプリンスはメロディを紡いでいく。歌が始まると主役はピアノの弾き語り。頻繁にシンセがおかずを入れる役を務めた。サビ部分のメロディも美しい。ちょっと曇った和音から開放感ある響きに展開するコード進行が心地よかった。

 冒頭からずっとドラム無し、シンセとピアノにコーラスの無い歌のみで楽曲が進行した。未発表曲なゆえに、ボーカル処理は未完成かもしれないが。
 少しばかりシンセの音色が安っぽく、生の弦に置き換える手もあるのでは。
 
 前述のように上の動画はドラム無しのテイク。どこかでぴしりと重いドラムが加わるのも、確かに効果的な気がする。

 なおこの楽曲は最終的に"Still Would Stand All Time"の完成で、アルバム"Graffiti Bridge"から外されてしまった。まあ、すごくよくわかる。

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