G. Love & Special Sauce 「Philadelphonic」(1999)

 どんどんバンドの音が希薄になる。そしてジャック・ジョンソンを見出した盤。

 前作から二年後、レーベルから歴史あるOkehから550 Musicへ移籍した盤。コロンビアからエピック傘下へ。さらに上流はSonyだ。だからこの移籍の意味するところが良くわからない。マネージメント、もしくは売り方のイメージが変わったってことか。

 冒頭の乾いたリズム・アンサンブルは、サウンドの音色こそSpecial Sauce。だがリズムはカッチリ上手く響き、危なっかしさがきれいに消えた。打ち込みっていうほど整っちゃいないが、デビュー時の不穏さが無くなり凡百のカントリー・ヒップホップ風味のロックに仕上がった。

 (2)あたりでは、実際のとこ打ち込みっぽいサウンドに変わる。本盤はゲストも大勢よび、ヒップホップ風味のプラスティックな印象がさらに強まった。爽快だけど、汗臭さがきれいに拭われてる。

 そして本盤の象徴が(4)。当時、無名だったジャック・ジョンソンをG Loveが見出して、彼の楽曲を本盤に投入。シングルとしても切った。これがきっかけで、ジャックは音楽業界への道が開けたらしい。
 
 Special Sauceの音質はどんどん固く鳴り、整っている。聴きやすくはあるし、ラップの軽快さもカントリー風味たっぷり。でもちょっと、つるっとしすぎかな。ハーモニカを筆頭に、泥臭さもあるけれど、打ち込みビートの硬質さがSpecial Sauceならではのグルーヴさを減じている。決して悪いアルバムではない、のだが。
 ボーカルを電気加工したり、ギターを幾本も重ねたりと練られた作りが、ビジネス臭さを感じてしまうのか。Special Sauceへ荒々しい幻想を、僕が持ちすぎかな。

Track listing:
1. "No Turning Back" (G. Love & Special Sauce and BRODEEVA) – 3:03
2. "Dreamin'" (G. Love, Clarence Reid, Wilie Clarke) – 3:54
Contains a sample from "Clean Up Woman" performed by Betty Wright
3. "Roaches" (G. Love & Special Sauce and Jake Joys) – 1:10
4. "Rodeo Clowns" (Jack Johnson) – 2:57
5. "Numbers" (G. Love) – 4:24
6. "Relax" (G. Love) – 4:15
7. "Do It for Free" (G. Love & Special Sauce and BRODEEVA) – 5:02
8. "Honor and Harmony" (G. Love) – 3:36
9. "Kick Drum" (G. Love & Special Sauce and BRODEEVA) – 2:23
10. "Friday Night" (G. Love/Jimi "Jazz" Prescott) – 4:09
11. "Rock and Roll" (G. Love & Special Sauce – 3:08
12. "Love" (G. Love/T-Ray) – 3:39
13. "Around the World (Thank You)" (G. Love & Special Sauce – 1:27
14. "Gimme Some Lovin'" (G. Love) – 2:23
15. "Amazing"(隠しトラック)

Personnel:
G. Love - lead vocals, guitar, and harmonica
Jeffrey Clemens - percussion and background vocals
Jimi "Jazz" Prescott - string bass

Jack Johnson - acoustic guitar and vocals
Mike Tyler - guitar
Anton Pukshansky - organ, clavinette, and guitar
DJ Roman - scratches
David Gellar - percussion
T-Ray - beats
BRODEEVA (Chad Howlett & Earl Bryant, Jr) - vocals


関連記事

コメント

非公開コメント