ZZ Top 「ZZ Top's First Album」(1971)

 若年寄の貫禄なブルーズ・ロック。荒っぽく見せて、多彩で繊細で丁寧な音楽性を存分に見せつけた。

 今回初めて聴いた。ZZ TOPは数曲を聴いたくらいで、別に詳しくない。本盤がかっこよかったので、ちょっと感想を書いてみる。
 
 メンバー・チェンジせずに活動続けるZZ Topの1stは71年発売。重厚さを上手いこと洗練させたブルーズ・ロックを聴かせる。デビュー作と思えぬ作りこみっぷり。
 プロデューサーのビリー・ハムは、この後ずっとZZ Topを支えるスタッフとなった。強固なバンドとスタッフの関係性は、1stからぶれてない。

 ぼくは実のところブルーズが苦手だし、ブルーズに憧憬したホワイト・ブルーズ・ロックはさらに苦手だ。もともと素養として、ブルーズが体に入ってないから。
 どっちかといえば、もっと違いが明確なほうが好みで、決まった形式で微妙なニュアンスの違いを探すって繊細さに欠けている。という趣味性を踏まえて感想書いている。

 で、本盤。リリースの時、メンバーは21歳かそこら。若いのにずいぶん老成してる。70年という時代がそうさせたのか。
 どっぷりブルーズだが、どこかあっけらかんと突き抜けた明るさが楽しい。考えなしじゃなく、根本の陽気さだろう。

 ぐいぐい押すギターとリフを重ねるベース、軽く太い響きで刻むドラム。三人のシンプルなアンサンブルが、小気味よく痛快なノリを作った。
 演奏は安定してるし、細かいフレーズづくりも多彩。すごく上手い。
 ボーカルも良い感じ。むやみにシャウトせず、ところどころ危うい。でも妙な骨太さがある。埃っぽさと大らかな雰囲気が漂った。テキサス州出身、南部ってそんな雰囲気なの?

 A面最後の"Old Man"は、カントリー調のスロー。ギター・ソロはブルージーに雪崩れる。ギター数本ダビングして、厚みだしてる。牧歌的なハーモニーはキリスト教の影響もあるのでは。
 B面最初の"Neighbor, Neighbor"で、乾いたノリがZZ Topの特徴だ。粘っこさやこだわりをあまり前面に出さず、さらりと力押し。だが筋肉の香りは無い。自然体でどんすかと紡いで、無造作に仕上げた。ちょっとけだるげ。

 トリオ編成だがダビングを忌避せず丁寧な作り。"Bedroom Thang"みたいな野太さを、平然と提示する頼もしさもあり。トリオ編成を成立させつつ、ダビングは施す。細かいアレンジだ。
 "Just Got Back from Baby's"での泣きなブルーズもあっさり披露する。いやはや幅が広い。

 売れてやるぜってギラギラした、作為性や嫌味が無い。
 さらに楽曲やアンサンブルがシンプルなのに、曲ごとに雰囲気を変えるアレンジ術も見事だ。アルバムのトーンは変わらないが、メリハリ効かせてる。
 うん、これはかっこいい。



Track listing;
Side 1
1. "(Somebody Else Been) Shaking Your Tree" (Billy Gibbons) – 2:32
2. "Brown Sugar" (Gibbons) – 5:22
3. "Squank" (Gibbons, Dusty Hill, Bill Ham) – 2:46
4. "Goin' Down to Mexico" (Gibbons, Hill, Ham) – 3:26
5. "Old Man" (Gibbons, Hill, Frank Beard) – 3:23
Side 2:
1. "Neighbor, Neighbor" (Gibbons) – 2:18
2. "Certified Blues" (Gibbons, Beard, Ham) – 3:25
3. "Bedroom Thang" (Gibbons) – 4:37
4. "Just Got Back from Baby's" (Gibbons, Ham) – 4:07
5. "Backdoor Love Affair" (Gibbons, Ham) – 3:20

Personnel:
Billy Gibbons – guitar, vocals
Dusty Hill – bass guitar, keyboards, backing vocals, lead vocal on "Goin' Down to Mexico", co-lead vocal on "Squank"
Frank Beard – drums, percussion (credited as "Rube Beard")

Producer – Bill Ham

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