Roy Haynes 「We Three」(1959)

 ベースが実は主役、と思わせるアルバム。


 49年から様々なサイドメンで活動してきたロイ・ヘインズ(ds)の4thリーダー作。ポール・チェンバーズ(b)とフィニアス・ニューボーン(p)のトリオ編成で吹き込まれた。前後のアルバムで本編成で吹き込みは無く、本盤用のセッションか当時のバンドかは知らない。
 ただしタイトルに象徴のごとく、ドラムのみが主役でなく三人が同格の立ち位置。特にアンサンブルではベースが大活躍した。くっきりと輪郭づけた低音で、明確に拍を提示しドラム以上にグルーヴの主役と思わせる。

 ヘインズのドラムはシャープにリズムを刻む。だがそれ以上にチェンバーズのベースは太く、重く芯を喰ってグルーヴを支えた。
 ときにドラムのソロはメロディアスに鳴る。けれどもさらにベースは、むやみに目立たないが存在感は強烈に出し続けた。

 ちょっと雰囲気違うのがピアノ。ニューボーンはWikiによると元はR&B側の世界で活動をはじめ、その後にジャズへ来たという。むりくり耳をすませれば、洗練度合いやスイング感が少しばっかR&B寄りと聴こえる・・・かな?指をまわしつつ、まわしきれないたどたどしさが味。
 ニューボーンは(3)でのピアノ独奏が象徴的だが、むさ苦しさより、洒落た世界観が好みのようだ。アドリブはそつなくこなす。だがこのアンサンブルで目立ち切れてない。
 それゆえに本盤の絶妙な三人の拮抗具合にもつながったが。ヘインズはほとんどソロやフィルで我を出さず、着実なビート具合で小気味よくプッシュする。さらにベースががっしり首根っこ捕まえて前へ突き出す感じ。素晴らしいグルーヴ感だ。
 
 圧巻はやはり長尺の(4)。40年にErskine Hawkinsのオケで録音なこの曲、本盤時点では既に馴染み深い曲だったようだ。ときおりばらつく速いフレーズのピアノは、ちょっとおっちょこちょい。ドラムがモタリ気味に刻む。
 少しばかりダルい雰囲気なのに。それを頼もしくベースが受け止め、強固なうねりを作った。

Track listing:
1. "Reflection" (Ray Bryant) - 4:24
2. "Sugar Ray" (Phineas Newborn) - 6:25
3. "Solitaire" (King Guion, Carl Nutter, Renee Borek) - 8:54
4. "After Hours" (Avery Parrish) - 11:21
5. "Sneakin' Around" (Bryant) - 4:24
6. "Tadd's Delight" (Tadd Dameron) - 4:01

Personnel:
Roy Haynes-drums
Phineas Newborn-piano
Paul Chambers-bass

関連記事

コメント

非公開コメント