TZ 7118:Naftule's Dream "Search for the Golden Dreydl"(1997)

 クレツマーを鋭いプログレ・ジャズ仕立てにまとめた爽快な盤。

 この当時、クレズマーとジャズの融合コンボが流行ってたらしく、そんなバンドの一つとしてTZADIKからリリースされた。
 リーダーのクラリネット奏者Glenn Dicksonは、このNaftule's Dream名義で02年までTZADIを中心にアルバムを4枚毎発表した。
 バンドの公式ページには14年5月20日付で「新譜のミックス完了」と発表あるが、2016年3月現在、発表された様子はない。
http://www.naftulesdream.com/index.html

 このバンドとは別に本盤のtbとtuba奏者のみ共通で、よりアコースティックなコンボ編成のShirim Klezmer Orchestraも並行活動させている。双方サイトとも更新が2014~15年で止まっており、現状の活動は不明。
http://www.shirim.com/home

 そう、本盤はいくぶん尖った前衛要素があり。本バンドNaftule's Dreamはベース無しのチューバが低音担当の、ふくよかなムードでだまされがちだが、変拍子や凝ったアンサンブルでひねったクレヅマーをジャズ的に演奏した。
 基本はインストで、ソロ回しではなくプログレ的に整ったアレンジでキメが多い。単なるソロ回しよりも全体演奏のほうに軸足を置いた。
 もっとも一曲のボーカル入りも歌ではなく、スキャットのコーラスだが。

 アドリブの鋭いスピード感よりも、全体演奏のダイナミズムに惹かれる盤だ。トロンボーンとチューバのエッジが柔らかい音触り。クラリネットも鋭さを陰にひそめ、緩やかに響く。
 だがきっちり練られ、ビシバシとフレーズを決めていく演奏は、清々しくも勇ましい。さりげないがハイテクニックで整ったサウンドを披露した。
 もちろん力押しでなく、(7)みたいに淑やかなバラードもいける。
 本盤がデビュー作と思えぬ完成度である。

Personnel:
Glenn Dickson: Clarinets
Pete Fitzpatrick: Electric Guitar
James Grey: Tuba
David Harris: Trombone
Michael McLaughlin: Piano
Eric Rosenthal: Drums
Betty Silberman: Voice on 6

これは2013年のライブ。だいぶデビュー作から時間かかってるが、雰囲気ということで。

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