Sonny Rollins 「Complete Live At The Village Gate 1962:7/30 3rd set」(1962)

 ドン・チェリーと共演の6枚組BOXの4days、最後な3rdセットの音源。
 個別演奏だけでいうと、このセットの演奏は色々と最も面白い。

 4days最終日、62年7月29日の3rdセットはCD6の1-2曲目。約53分、フル収録だろう。"Oleo"を取り上げ、さらにスタンダードでしめた。

 冒頭から生きのいい演奏が炸裂した。ベースは休みなくプッシュし続け、ドラムは軽快かつメリハリあるリズムで煽る。ちょっと軋む柔らかで太いトーンのテナー・サックスが跳躍の激しい青白いアドリブを奏でた。最初はチェリーが吹かず、見に回る。
 サックスは休みなく吹き続けた。手癖に終わらぬフレージングや、間をときおり開けて一呼吸置き、新たな旋律に向かうロリンズ節も健在だ。とはいえ、ちょっと似通った世界観のフレーズが続くけれど。

 テンションを下げず、サックスはひたすら吹いた。ハイトーンに逃げず地を這う低音フレーズを唸らせる。ロリンズの見せ場が続く。チェリーは音を出さない。
 ベースも八分音符で押す一方、フレージングにいろいろ工夫あり。

 13分過ぎでようやくソロがチェリーに回った。短いフレーズの積み重ねは変わらずだが、幾分前のめりに元気な気も。ドラムは出し入れするメリハリ、ベースはフレーズのアクセントでスピード感を強調した。

 おそらく当時のライブで、4daysそのものに感慨はあるまい。まとめて何日かギグをするってパターンが主流と思われる。この顔ぶれのライブが、音盤でこそ本盤が最初だが、実のところは他にもライブを繰り返してたかもしれない。つまり単なる日常にすぎまい。
 だが実質本セットは、4daysの一番最後。その開放感もしくは集大成の感慨か?と思えるくらい、このセットの演奏は溌剌としてる。

 たっぷり長尺でアドリブとるチェリーだが、短いフレーズと煮え切らない末尾のもごもご感は変わらず。この辺、豪快なロリンズと対比の妙ながら、もどかしいのも事実。もっとスパーンと突き抜けてくれ、と。

 19分半ほどでロリンズも加わり、ダブル・アドリブに。ひとしきり燃えた反動か、ロリンズの音も、どこかへにゃっと柔らかい。チェリーのあおり程度、かな。サックスはちょっと吹いて、また静かになってしまった。

 流れるようにドラム・セットへ。シンバルの乱打とスネアのロール。リズムは双方とも揺れるが、ビート感だけが明確に続きノリは持続してる。
 途中で一呼吸置くと、もうグダグダになり手数勝負の乱打になってしまったが。
 終盤で二管が加わる。雰囲気はいまひとつ、腰砕け。ドラムがノリをずらしたためと言わざるを得まい。だがベースの煽りに載って盛り返した。
 うわずり気味に二管が暴れ、エンディングに雪崩れる。無伴奏で吹き倒すロリンズの音使いが、りりしい。

 (2)は自然発生的に二管の演奏が盛り上がった。幾分リズム隊は落ち着いたテンポ。音数多めで刻みを入れるアレンジは変わらないが、スイング感が強調された。
 テナーのソロへつながった。(1)よりもアイディア豊富なアドリブをロリンズは軽快にばらまいていく。途中から高音も軋ませてきた。次第に粘っこくソロが盛り上がる。

 長尺とはいえ(1)ほどじゃない。適当なとこでロリンズは切り上げ、拍手の中チェリーにソロが回った。明るいムードで小刻みなフレーズを重ねていく。
 間を置きながら、高らかに。本セットでのチェリーは、どことなく元気だ。しかし小節感の希薄な譜割なことは変わらない。明確な4拍子だけれど、チェリーだけ違う拍感覚でいるかのよう。
 途中でドラムが消え、ベースもテンポをずらしていくのだが、チェリーの雰囲気が変わらぬところも面白い。

 おもむろにロリンズも音を出し、改めて二管セッションに。ベースとドラムのコンビネーションが、ひときわ心地よい。シンプルなパターンだが、微妙にアクセントやタイミングをずらすことで、躍動感を出した。
 最後はノービートでいったん崩れ、強引にコーダを付けた感じ。

 やはり全体として、このセッションは気持ちいい。

[Set list]
1.Oleo #4
2.There little words

Personnel:
Sonny Rollins:ts
Don Cherry:cor
Bob Cranshaw;b
Billy Higgins;ds

Live at the Village Gate, New York, July 30, 1962 3rd set

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