Sonny Rollins 「Complete Live At The Village Gate 1962:7/30 1st set」(1962)

 ドン・チェリーと共演の6枚組BOXの4days、最終日1stセットの音源。

 4days最終日、62年7月29日の1stセットはCD5の1-2曲目。未発表の長尺オリジナル2曲でまとめる、大胆な展開。
 とはいえ収録時間は30分弱、短すぎる。総収録ではないのかも。もしかしたらこの前に"Oleo"あたりを演奏してても、おかしくない。

 ちょっと中近東を連想する突飛なフレージングで幕を開け、じわじわ探り合った後にアドリブへ突き進む。ロリンズとチェリー、同時進行のソロか。バトルまで斬り合わないが、なんか刺激的な音像だ。
 リズム隊はボリューム上げて疾走と思ったら、次第にフェイド・アウト。一呼吸おいてタムの連打のみの無伴奏に。けっこう凝ったアレンジだが、ロリンズの指揮だろうか。
 チェリーは完全に吹き止まず、じわじわしみだしてくる。この探り合いが面白み。

 とはいえこの日の演奏は、ロリンズの音色はまずまずだが覇気に物足りなさも。やはり2日目がこの4daysのベストかな。
 断続的なアドリブが浮かんでは消える。リズム隊と上物の関連性は、フレーズや拍の端々で噛み合う程度。並行進行がときおり絡んでいく危うい雰囲気だ。けっして険悪でなく、単にコンセプトの共有が欠けてる気がした。

 フリー畑で立ち位置を探り続けるチェリーと、奔放さを突き抜けたいロリンズ。そこへ名手だがノリに戸惑うヒギンズのドラムと、意外にコンセプトを理解しつつ一歩引き気味な遠慮がちベースなクランショー。4人それぞれが、ベストを模索する。
 あと、他の日の音源を聴いてて1stセットは勢いづけと呼吸合わせが主眼、肝心なのは2ndセットってムードだ。3rdセットはクールダウン兼ねた緩やかな終焉。
 そんな観点で、まだ1stセットゆえの荒っぽさがあるように聴こえる。
 
 (1)は16分過ぎで急にファンキーな盛り上がりをみせるわりに、どうもとってつけたような危うさだ。切り取って聴く分には、悪くない。時に細目に音色を軋ませるロリンズのサックスがぶいぶい吹いており、チェリーがフリーに絡んでくる。
 でもどうも、このバンドの本質的な演奏じゃないって気がする。こんなこぎれいにまとまりは、物足りない。

 むしろ(2)での混沌さのほうが、じっくり聴ける。ビート性も希薄なフリー展開をロリンズは上手いこと、自分の奔放なソロと混ぜた。チェリーもフレーズは短めだが、絶え間なくロリンズへまとわりついてい行く。
 リズムの空白を恐れずヒギンズがドラムを出し入れした。音を少なく、クランショーも低音を提示。指弾きとアルコを使い分けた。

 (1)の20分に比べ(2)は9分と短い。長ければいいわけでなく(2)はちょうどいい集中力でコンパクトかつじっくりとまとめた。
 このあとに、もう一曲演奏したのかな。どうも本セットの音源は中途半端なボリュームだ。

[Set list]
1.Untitled original C
2.Untitled original D

Personnel:
Sonny Rollins:ts
Don Cherry:cor
Bob Cranshaw;b
Billy Higgins;ds

Live at the Village Gate, New York, July 30, 1962 1st set


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