TZ 8334:Forro In The Dark "Forro Zinho:Forro In The Dark Plays Zorn"(2015)

 ブラジル音楽フィルターを通したジョン・ゾーン作品集。


 Forro In The Darkは4人組のブラジル音楽バンドで、NYを拠点に活動のようだ。アルバムは03年にデビュー。本作が5thになる。
 なぜ本盤でゾーンの作品集に至ったか、経緯は不明。さらになぜか、ゾーン自身の音楽をまとめる"Archival Series"にて発売に至った。Masada Book 2シリーズと同じノリか。ゾーンによる指揮のクレジットも特に無い。

 収録曲は後述のように、過去作は多岐にわたる。92年から2012年までまんべんなく収録した。(3)と(9)が2014年作、ゾーンの書き下ろし曲のようだ。
 ラウンジ・コンボ系の"The Gift"や"Dreamers"系を中心に、映画音楽からも2曲取り上げた。よほどゾーンの音楽が好きで、あれこれ聴きあさった挙句に抽出か。さらにネイキッド・シティのレパートリーまでさかのぼり(6)を投入した。ゾーンのファンならよけい楽しめる選曲だ。
 しかもブラジル音楽好きには驚愕の、マルコス・ヴァーリを一曲でゲスト参加させた。まだ現役だったのか。

 (5)は原盤"Filmworks XII"に同名曲無し。聴き比べたが、どの曲か特定できず。CD化されてない曲だったりして。エセ・サーフロックみたいだった(6)を、小刻みなリズムでテクノふうにまとめたアレンジのセンスも良い。

 ブラジル音楽はエッセンスにとどめ、楽曲ごとにアレンジは変えている。むしろユダヤ文化を経由しない分、すっきり軽やかにまとまった感あり。
 演奏力はばっちり。ゾーンの一連する疑似バンドのごとく、タイトで涼し気に次々と奏でてく確からしさが、安心して聴ける。ゾーンとは違う、妙に柔らかいリードっぽい荒々し気なサックスも、不思議な新鮮味だ。

 なお楽曲はオリジナルのストレート・カバーは狙わず、自らの解釈で演奏してる。
 だがテーマだけであとは即興、みたいなジャズ・アプローチではない。原曲を尊重しつつ、アドリブ主体でなくラウンジ音楽風にキッチリまとめた。そのアプローチ自体が、ゾーン流のコンセプト重視かも。

 原曲と聴き比べるのも楽しい。芯はいっしょで、表面はすっかり異なる味わいだ。
 それにしてもゾーンは、いろんなメロディを書いてるなあ。

Track List: 【原曲収録盤】
1.Uluwati 【Dreamers,2008】
2.Novato 【Alhambra love songs,2009】
3.Forro Zinho
4.Life Is Real Only Then When "I Am"【The Concealed,2012】
5.Shaolin Bossa 【Filmworks XII,2002】
6.Sunset Surfer 【Radio,1992】
7.Zavebe 【The Dreamers:The Book Of Angels vol. 14,2010】
8.Ode To Delphi 【The Goddess,2010】
9.Tempo De Festa
10.Annabel 【Filmworks XXIV,2010】
11.The Quiet Surf【The Gift,2001】

Personnel:
Flute, Flute [Pifanos], Vocals, Tenor Saxophone, Baritone Saxophone - Jorge Continentino
Electric Guitar - Guilherme Monteiro
Percussion [Zabumba, Vibes, Synare], Percussion - Mauro Refosco
Bass, Percussion, Fun Machine - Rea Mochiach

Guest
Vocals , Wurlitzer - Marcos Valle (on 5)
Accordion - Vitor Goncalves (on 2,3,9)
Vocals - Jesse Harris(on 8), Sofia Rei (on 8,11)

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