Marc Ribot 「Shrek」(1994)

 あえてギタリストを入れ、多様性を図った4thソロ。Wikiはこちら

 ジャケットのクレジット見て「2ドラム2ギター?!HAYAKAWAの先駆か?」とわくわくしたが、実際は全く違うアプローチ。自らのギターへ異化効果が狙いかな。抽象的で、あまりリズミックでない重たいジャズっぽいサウンドが中心だ。

 レーベルはディスク・ユニオンが当時主宰し、ジョン・ゾーンにプロデューサ権限を与えたレーベル、AVANT。従いエグゼクティブ・プロデューサーにゾーンの名がある。関与度合いは不明だが。
 録音はNYのLow Bloodスタジオだが、ミックスになんとシミーのノイズ・ニュージャージーが使われた。もっともエンジニアは本盤のプロデュースにもクレジットのMarc Anthony Thompson。クレイマーの参加は無い。アシスタント・エンジニアにハウス・エンジニアなスティーブ・ワトソンの名前があるのみ。単なる、お仕事か。

 マーク・リボーが本盤でパートナーに選んだギタリストは、メデスキ、マーティン&ウッドの、クリス・ウッド。すなわち普段はベーシストにあえてギターを弾かせた。
 ベースのSebastian Steinbergはソウル・コフィングのメンバーな人。オプチカル・8他、色々なバンドに参加している。
 他のメンバーも当時、リボーの周辺で活動してたNYの尖鋭メンバーらしい。バンド形式でなく、仲間内を集めた格好か。今では語られることのない盤だが、Shrekはある程度活動を続け、ライブもバンド的におこなってたようだ。
 本盤には作曲家のDavid Sheaも、サンプラー操作で3曲にクレジットあり。

 全編にわたり痙攣するように彩りないメロディが溢れ、今一つ落ち着かない。刺激物ばかりで寛ぎは二の次だ。インプロではないようだが、細かくアレンジされた楽曲は不安定に空気を滑っていく。
 複合リズムでミニマルとタイトさが狙いか。聴きづらくはないが難解なコンセプトで構造が読めない。和音感は希薄だ。

 あまり味わい深いサウンドではないが、繰り返し聴いてるうちにミニマルさがもつ酩酊感は、なんとなく味わえた。ライブでの演奏が想像つかない、クリーンでスタジオ似て作りこまれた雰囲気だ。
 こういう盤を作れるのも、才能だと思う。高いテクニックを追求ではないが、テクニックゆえの整った演奏は着実な安定感で複雑にして難しいことを、軽やかに仕上げた。
Track Listing:
1. "Prelude" (Frantz Casseus) – 1:17
2. "Spigot" – 2:57
3. "Forth World" – 7:53
4. "Romance" – 6:29
5. "Hoist the Bloody Icon High" – 4:40
6. "Half Ass Whole" (Marc Anthony Thompson, Ribot) – 3:44
7. "Big Money" – 4:45
8. "Shrek" – 6:17
9. "Human Sacrifice" – 10:43
10. "Bells" (Albert Ayler) – 10:08

Personnel:
Marc Ribot – guitars, banjo, Eb horn, drums, pump organ
Chris Wood (2–5, 7–10) – guitar
David Shea (2, 6, 9) – sampler
Sebastian Steinberg (2–5, 7–10) – bass
Jim Pugliese (2–5, 7–10) – drums
Christine Bard (3–5, 7–10) – drums
Marc Anthony Thompson (6) – autoerotic harp


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