Sonny Rollins 「A Night at the Village Vanguard」(1958)

 結構荒っぽいライブ盤だ。暴れ馬みたいなロリンズの無造作なステージを封じ込めた。

 あまり客がいるように聴こえない。拍手の音からして、せいぜい数十人?むしろ午後セットのほうが客が入ってるような。夜セットは観客のざわめきも感じる。聴いてよ、ジャズを。アメリカのスタイルかもしれないが。
 録音した57年11月3日は日曜日。日曜の夜に深夜までジャズを聴かないか?

 ちょっと上滑りするサックス。アルバムでの豪放さは薄く、むしろ手癖中心に吹いてるような。名盤と語られる本盤だが、まだぼくはこの盤の魅力が腑に落ちてない。

 本盤はヴィレッジ・バンガードでの初ライブ録音だそう。本盤の後、ビル・エヴァンス"サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード"(1961)やジョン・コルトレーン"ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード"(1961)の録音に至った。
 当時はどんな雰囲気だったろう、ここによると100人強がキャパの中箱らしい。録音当時はもっとテーブルが多く、70人くらいかも?

 当日、午後と夜にロリンズはステージをこなし、午後と夜でメンバーを分けた。だがワンホーンのコンセプトは崩さない。ドラマー二人とは本盤の後に共演もするが、ベースの二人はどちらも本盤のみが残された共演のようだ。
 ベースのDonald Baileyに至っては、他の録音音源すらパッと検索して出てこない。どうにも適当なメンツを集めて録音って雰囲気がする。

 Wikiによると午後セットで5曲、夜セットで15曲とある。うち4曲をアルフレッド・ライオンは録音ごと破棄し、16曲から6曲を選んで本盤にした。午後セットからは(4)のみを取り上げてる。

 現代では残る10曲も復刻が進んでるが、まず僕はLPのシーケンスで本盤を聴いている。夜セットがやたら多いが3セットってこと?今の"コンプリート盤"を聴くと、その様子がわかるのかも。


 なお午後セットはほぼ全曲、4曲が残された。本盤だけ聴くと、午後セットのほうが集中力あるな。音色も太いし。リードミス寸前の危うい部分も、ちょっとあるけれど。
 唯一本盤で午後セットの(4)にて、サックス・ソロからドラム・ソロへ。わあわあ吠えながら叩きまくる場面の賑やかさが楽しい。

 本盤で聴くと、ちょっとドタバタするジャズ。生々しい魅力と取れば、悪くない。LP一枚のボリューム感が、ぴったりはまった。
 コンプリート盤をいきなり聞かず、当時のLPシーケンスでまず聴きたい。それはそれで、必然性ある歴史の流れなはずだ。


 
Track Listing:
1."Old Devil Moon" E.Y. Harburg, Burton Lane 8:19
2."Softly, as in a Morning Sunrise" Oscar Hammerstein, Sigmund Romberg 8:03
3."Striver's Row" Sonny Rollins 5:59
4."Sonnymoon for Two" Sonny Rollins 8:46
5."A Night in Tunisia" (afternoon set) Dizzy Gillespie, Frank Paparelli 8:16
6."I Can't Get Started" Ira Gershwin, Vernon Duke 4:54

Personnel: November 3, 1957
Sonny Rollins - tenor saxophone
Wilbur Ware - double bass
Elvin Jones - drums

Donald Bailey - double bass on afternoon set
Pete La Roca - drums on afternoon set

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