Sonny Rollins 「Sonny Rollins, Vol. 1」(1957)

 コンボ編成でコントロールされたロリンズが味わえる。5曲中4曲がオリジナル。


 ブルーノート移籍第一作はドナルド・バードとの2管編成。馴染みのマックス・ローチは抑えたが、あとは新鮮な顔ぶれだ。もっともウィントン・ケリーはBabs Gonzalesオーケストラでの共演の吹き込みが49年にあり。Gene RameyはJ.J. Johnsonのクインテットで同じく49年に録音が残ってる。二人とも、昔なじみか。
 バードとは録音だと本盤が初のようだ。なお次の共演盤は、ライブ盤"Don't Stop the Carnival"(1978)まで飛ぶ。

 せっかくだからゴリゴリのハード・バップを期待したいが。(1)は落ち着いて洗練されたブルージーなジャズを聴かせる。テンポもぐっと抑え、穏やかなロリンズの自作曲で幕を開けた。
 (2)でも破天荒なテナーのブロウが楽しめるものの、どこか線が細い。整ったバードのペットに導かれ滑らかなムード。なお(2)もロリンズのオリジナルになる。
 ただし、小気味よい。難しくこね回さず、すっきりとセッションを楽しんだ。
 少しドタバタするリズム感のドラムを、ピアノが柔らかく支えベースが柔らかくプッシュした。ベースのきっちりした拍頭のグルーヴを、ドラムとピアノがかき混ぜる感じ。

 本盤でのテナーは、どことなく大人しく遠慮してる。なぜだろう。自らのソロよりもアンサンブルの構築度を気にしてるように聴こえた。
 しかしドラムだけでベースのソロを提示し、一気にホーン隊のチェイスに行くあたりは、アレンジがあまりにもあざとい。プロデューサーなアルフレッド・ライオンの趣味かな。

 (3)はミュートつけたトランペットと、ピアノがイントロを導く。静かにテナーは低音のロングトーンで、おもむろにワンホーンのテーマ。ここでのテナーはサブトーンを滲ませた太いロリンズ味の音色だ。このアレンジもできすぎた構成。なおこれが本盤で唯一のカバー曲。じっくりとメロディをフェイクさせる、長尺なテナーのアドリブが美味しい。
 これはわかりやすい、ロリンズ色のソロだ。ピアノの甘い響きが、武骨で骨太なテナーを引き立てる、見事なスパイスに。隅々まで練られたセッションになってる。

 ぱくぱくと上下するメロディで、やはり小粋なハード・バップを仕立てる(4)も、トランペットの絡みつく丁寧なサポートが、サウンドを引き締めた。合間を縫うテナーのソロがもったり膨らんだ。
 ここでもスピードより、寛いだ穏やかなグルーヴを優先してる。トランペットの合間にロール入れるドラムのアレンジも、妙に整った面持ち。譜面じゃあるまいなって思うくらい。破綻ないアンサンブルだ。

 最後の(5)が、若干の明るいイメージ爽やかな炸裂が狙いっぽいが、野暮ったく吹き鳴らすテナーのいぎたなさが、係留感を漂わせた。やはりベースの着実さと、ドラムやピアノの弾むビートが絡むことで、気持ちいい揺れっぷりを出した。
 ただ、整ってはいるが今一つ覇気がないような。
 


Track listing:
1."Decision" - 8:03
2."Bluesnote" - 7:01
3."How Are Things in Glocca Morra?" (Lane, Harburg) - 6:20
4."Plain Jane" - 10:00
5."Sonnysphere" - 9:36

Personnel;
Sonny Rollins - tenor saxophone
Donald Byrd - trumpet
Max Roach - drums
Wynton Kelly - piano
Gene Ramey - double bass


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