Sonny Rollins 「Rollins Plays for Bird」(1956)

 先人チャーリー・パーカーにモダン・ジャズ視点で落とし前つけた一枚。

 リーダー作ではすっかりお気に入りなローチに、クリフォード・ブラウン・バンドで馴染みのジョージ・モローを再び迎えたリズム隊。二管編成で相棒のケニー・ドーハムは、ロリンズの過去作"Moving Out"(1954)とこちらもブランクを感じさせない起用だ。ピアノのWade Leggeが新顔だが、どういう人脈だろう。
 
 オリジナルは無く、すべてカバー曲を取り上げた。
 A面はメドレーで27分弱の長尺を1曲。後述のように次々と演奏していく。ビバップ・スタイルでなく、緩やかにメロディを遊ばせるロリンズの姿勢で。そもそもSPではありえない長尺。音楽ジャンルの世代交代を、サウンドだけでなく楽曲姿勢やメディア変遷も込みで表現した。もっともギグではパーカーの時代も、メドレーで次々演奏してたのかもしれないが。

 ドーハムのプレイも含めて、むやみにビバップ的な曲芸フレーズは無い。若干ドタバタとにぎやかだが、ローチのドラムも着実だ。パーカーへの対抗でなく、敬意を払った挑戦かもしれない。
 全7曲のメドレー、楽曲的にはスリルよりも穏やかな雰囲気が先に立つ。

 この盤はガツンと音量を上げて聴きたい。ロリンズのプレイもダイナミクスそのものは、むちゃくちゃな差をつけてない。だがボリューム上げるほどに、生々しい息吹が聴こえてきた。テナーの音色はサブトーンはカゲロウのようにまとわりつくのみ。基本は甘く太いロリンズの味だ。ときおりブハブハと厳しくノイジーに鳴らし、音色にメリハリつけた。
 演奏アレンジは無造作にダラダラ続いてしまい、楽曲を知らないとちょっと冗長だ。ドラムなりで曲の分け目を明確にしてくれてたらな。ジャムをそのまま収録したって感じ。

 B面も長尺2曲。これまでCDではさらに1曲、ボートラがついていた。もともとは"SONNY BOY"(1956)で当時からLP化されてたもの。
 ところが2015年にさらに4曲の復刻も加えた、大ボリュームなリイシューあり。モンクの"ラウンド・ミッドナイト"まで収録してたのか。このディスコグラフィーにも、今回のボートラ音源は記載無い。
http://www.jazzdisco.org/sonny-rollins/discography/
 ぼくは未聴だが今から買うなら、最新リイシューのほうが当時の様子をより追体験できるのでは。


 B面のほうが音使いはビバップ的にメカニカルな上下を見せる。ただしテンポは抑え、ぐっとスインギーにまとめた。ロリンズのソロは手癖に任せず、ぐっと詰めたり三連でばらしたり、ロングトーンですかしたり。自在だな。
 リズム隊が濃密に空間を埋め、軽やかなシンバル・ワークで空気を揺らす中、テナーが切り裂く快感が良い。ドーハムのペットも、緩やかな雰囲気だ。
 本盤はB面のほうがむしろ、とっつきいい。

Track listing:
1."Bird Medley: I Remember You/My Melancholy Baby/Old Folks/They Can't Take That Away From Me/Just Friends/My Little Suede Shoes/Star Eyes" - 26:55
2."Kids Know" - 11:39
3."I've Grown Accustomed to Her Face" - 4:52



Personnel:October 5, 1956
Sonny Rollins - tenor saxophone
Kenny Dorham - trumpet
Wade Legge - piano
George Morrow - bass
Max Roach - drums

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