Sonny Rollins 「with the Modern Jazz Quartet」(1953)

 ええと、これが最初のリーダー作になるのかな。浮き立つメロディが素晴らしい。

 51年から54年のセッションを集めた盤。プレスティッジからのリリースで、5人編成のジャズ。ビバップ的なアプローチだが、ハードバップに通じるおおらかなフレージングだ。
 Babs GonzalesやJ.J. Johnson、Bud Powellなどのサイドメンをこなしてきた21歳のロリンズは、マイルス・デイヴィスのバンドに加わると同時に自らのリーダー・セッションを数回にわたり吹きこんだ。(13)でマイルスが"ピアノ"弾いるとこが、本盤の興味深いところ。
 なお自作曲を既に演奏してるとこも注目だ。ロリンズはプレイヤーでありつつ、既に作曲家でもあった。

 3回にわたるセッションの共通項はPercy Heath(b)のみ。あとは様々な顔ぶれを並べた。ミルト・ジャクソン(vib)なんて、本盤より前のセッションで録音経緯は無い。どういうきっかけだろう。なおミルトが加わったセッションは、要するにMJQがバック。ロリンズとMJQって、ちょっとつながりにくい世界観だ。MJQは51年から活動しており、このセッション時は売れてたはず。レコード会社のブッキングかな?

 51年といえばマイルスでいうと"Dig"などのころ。テクニックと疾走が特徴の曲芸的なビバップから次にジャズが向かってた頃合いか。本盤は節々にビバップ的なサイドメンの演奏を感じつつも、ロリンズが登場したとたんに風景がモダン・ジャズに変わる。
 うっすらとサブトーンを響かせながら、ロリンズの音色は実に甘く、太い。

 三連や裏拍から食う譜割で、リズムをおおらかに解釈して朗々とメロディを提示した。ときどき同じフレーズを繰り返し、次の瞬間にヒラリと違うアドリブ路線に向かう。この辺が、考え込みながら吹いてるように聴こえる。
 指癖に頼らず、どう展開したら意外か、メロディアスか、豪快かって、常に探っているかのよう。

 しかし本盤のセッション、常に主役は自らと注意深く配置した。セッションではワンホーン。さらにSP時代(かな?)で一曲が短いのをいいことに、思い切り自らのサックスのみを前面に出した。

 それがアレンジとしてはメリハリになり、ロリンズの名刺としてピントがボケず明確な音楽に仕上がってる。
 しかしパーシー・ヒースのベースは地味だなあ。どのセッションもピアノは賑やかに鳴るし、ドラムも精力的にプッシュする。けれどベースはさほど自己主張せず、確かなグルーヴで支え続ける。そんなメリハリが、ロリンズの好みだったのかな。

 しかし限界を感じたのか、最後のセッションでビブラフォンを招く。アルバム順だと最初だが、本セッションが一番新しい。次のリーダー作でも2管だし、マイルスのバンドで活動しながら唯我独尊よりバンドの妙味を狙ったのかもしれない。


Track listing:
1."The Stopper" - 2:59
2."Almost Like Being in Love" (Lerner, Loewe) - 3:26
3."No Moe" - 3:32
4."In a Sentimental Mood" (Ellington, Kurtz, Mills) - 3:20
5."Scoops" - 2:16
6."With a Song in My Heart" (Hart, Rodgers) - 3:08
7."Newk's Fadeaway" - 3:15
8."Time on My Hands" (Adamson, Gordon, Youmans) - 2:42
9."This Love of Mine" (Sol Parker, Henry W. Sanicola, Jr., Sinatra) - 2:26
10."Shadrack" (MacGimsey) - 2:35
11."On a Slow Boat to China" (Loesser) - 2:41
12."Mambo Bounce" - 2:25
13."I Know" (Davis) - 2:32

Personnel:

Tracks 1-4 October 7, 1953
Sonny Rollins - tenor saxophone
John Lewis - piano
Milt Jackson - vibes
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums

Tracks 5-12 December 17, 1951
Sonny Rollins - tenor saxophone
Kenny Drew - piano
Percy Heath - bass
Art Blakey - drums

Track 13
Sonny Rollins - tenor saxophone
Miles Davis - piano
Percy Heath - bass
Roy Haynes - drums

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