Paul Chambers「Go」(1959)

 生き生きと溌剌に弾む、ファンキーなジャズが楽しめる傑作。


 59年2月2~3日と、もう一日。合計3日間の録音。もう一日は録音日が不明らしい。2管編成でごきげんなハード・バップを楽しめる。
 サイドメンはこの当時、マイルス・バンドにいた面々。本セッションからハバードが抜けて、コルトレーンが加わればそのままマイルス・バンドだ。

 日付でいうと本盤録音の翌月が、"Kind of Blue"セッションになる。事前にモード・ジャズをマイルスがどの程度、バンドのメンバーへ予告してたかはわからない。
 少なくとも本盤でポール・チェンバーズや傘下の面々は、熱すぎないハード・バップをのびのびと演奏してる。モードのかけらはうかがえない。

 決してアップテンポになりすぎず、ガチンコで激しく斬り合いでもない。けれど溢れる楽し気な雰囲気が、本盤の魅力だ。
 特にウィントン・ケリーの鮮烈で洒落た音使いが耳に残る。二管のくつろいだアドリブづかいも心地よい。饒舌に吹き倒すキャノンボールのスピードが素晴らしい。時々つんのめるアクセントをつけつつも、華やかなハバードの若さと対照的だ。

 そしてベースの主導権っぷり。ぼくはバンド演奏したことなく、ベースの重要性って正直、ピンと来てない。けれど本盤の(2)を聴いてて、後ろから軽く蹴飛ばされるようなベースの茶目っ気にグッと来た。
 
 本盤はポール視点だと"Bass On Top"(1957)から、約1年半ぶりのリーダー吹き込みになる。前回からまさにメンバー一新。マイルス・バンドでのびのび自分のジャズをやりたかったのかも。
 LP収録の6曲中、(3)と(5)がポールの曲。(1)がキャノンボールの曲だ。なぜか一曲だけ、フィリー・ジョー・ジョーンズが叩いてる。
 ちなみに本アルバムと同じ日、2月3日にはコルトレーンが入りハバードが抜けるメンツで"Cannonball Adderley Quintet In Chicago"セッションも行われた。合わせて聴いたら、より当時の雰囲気がわかるかな。


 ポールの"Go"セッションはアウトテイクが多く、CD二枚組分の音源が残されてる。ぼくは"Eight Classic Albums"の廉価版で聴いてるが、こんないい演奏なら、いずれは未発表テイクも聴いてみたい。
 本廉価ボックスの謎は、(4)~(6)がライブ・テイクなこと。(5)は極端に音質が違うし。クラブ・ギグの実況録音?でもYoutubeの(5)の楽曲でもライブ音源だな。アルバム買わないと、謎はわからないか。


Track List:
1.Awful Mean
2.Just Friends
3.Julie Ann
4.There Is No Greater Love
5.Ease It
6.I Got Rhythm

Personnel:
Bass - Paul Chambers
Alto Saxophone - Julian "Cannonball" Adderley
Drums - Philly Joe Jones (tracks: A1), Jimmy Cobb (tracks: A2 to B3)
Piano - Wynton Kelly
Trumpet - Freddie Hubbard


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