Alegre All Stars 「Alegre All Stars」(1961)

 60年代NYサルサの、デスカルガを集めた盤。小気味良く、即興と思えぬセッションだ。
 

 デスカルガとはラテン音楽での即興をいうらしい。だが本盤は無秩序に感じない。けっこうアレンジされ、歌まで入ってる。どの辺が即興だろう。テープ編集も施してるらしいが、わざとらしい音源のジャンプは無い。ごきげんなビートに乗って、のびのびと各種楽器のアドリブが弾み、歌声が流れる。

 アレグレ・オール・スターズは60~80年あたりにNYで活動したレーベル、アレグレの契約ミュージシャンたちの集合体。特にメンバーは決まってないのかな。ライナーによると本盤は火曜の夜にクラブへ無造作に集まったミュージシャンたちが、特に譜面も指揮もなくその場で作り上げた音楽という。とてもそうは思えない。なんらかの約束事があって成立していそうだが、サルサは詳しくなく音構造が読めない。

 クレジットによれば一応、リーダーはCharlie Palmieriで、副リーダーがJohnny Pacheco。どちらもサルサ界では超有名人らしい。あるていど即興は本当としても、進行や構成はかなり、この二人が音楽まとめていそうだ。

 ぼくは96年にP-Vineが4枚まとめて再発のうち、2枚を聴いた。折に触れ聴き返してるが、いまだによくわからない。音楽としては小粋で洒落てて気持ちいいのだが。
 しかしP-Vineはワンショット契約のため、ちょっと買い逃すとたちまち入手困難になる。NYサルサはあまり再発が体系だっていないのか、Amazonでも謎な入手性だ。CDはほぼプレミアついている。

 Discogsによるとアレグレ・オールスターズ名義では5枚のアルバムが出てる。
1961:The Alegre All Stars 【本盤】
1966:Way Out - The Alegre All Stars Vol. 4
1968:El Manicero - The Alegre All Stars Vol. 2
1977:Perdido
1996:Lost And Found - The Alegre All Stars Vol. 3

 Vol.3が96年発売とは、当時に地下鉄で盗られたマスター・テープが発見され再発されたって触れ込み(宣伝文句ででまかせ説もあるが)のため。Vol.順もいい加減で、なんかおおらか。そもそも上記データがあってるのかね。

 Amazonデジタルでは4thの"Perdido"のみオリジナル曲順でリイシューあり。あとは76年にベネズエラのBarbaro, Barbaroが編集した"They Don't Make Them Like..."、英チャーリーが92年再発の"Te Invita"が発売されてる。
 デジタル盤は権利が混沌として、どうも全貌がつかめない。コンプリートBoxがあると便利だが、特に再発はされてないみたい。

 Youtubeにも音源はあるが、やはり体系付けは無し。とりあえず本盤から一曲、貼ってみる。


 あまり深く考えず、楽しむべき盤かもしれない。しゃべりと無造作なイントロ、演奏が始まりパーカッションが載った瞬間に楽曲は強靭なノリを魅せる。特にせめぎあいは無いが、寛いだ雰囲気からつながるアドリブ・ソロ。一本づつマイクが立ったという楽器は、どれも分離良くクッキリとフレーズを楽しめる。

 楽曲クレジットによれば7曲中(3)がボレロ。(6)がRumba Abierta。双方ともリズムの名前らしい。Rumba Abiertaの解説動画があった。

 あとはすべて、デスカルガ。無造作に演奏が始まり、盛り上がっていく。
 曲によっては頭に酒場のざわめきを入れ、ミュージシャンらのリラックスした様子を伺わせる。

 うーん。そのまま音に身を任せ楽しめば良いのかもしれないが。やはり詳しい人の細かい解説を受けながら、細かく本盤を聴きこんでみたい。サルサの奥深さを楽しめそうだ。
Track List:
1.Ay Camino Y Ven
2.Rareza Del Siglo
3.Soy Feliz
4.Estoy Buscando A Kako
5.Almendra
6.Al Carnaval
7.Para Ti

Personnel:
Bass – Barry Rogers
Congas – Marcelino Valdes
Flute – Johnny Pacheco
Guiro [Gourde] – Julian Cabrera
Piano – Charlie Palmieri
Tenor Saxophone [Tenor Sax] – Jose Chombo Silva
Timbales – Kako
Trombone – Barry Rogers
Vocals – Dioris Valladares, Rudy Calzado, Yayo El Indio

Producer – Al Santiago

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