Red Garland「The Red Garland Trio - Moodsville Vol.6」(1960)

 色々と、くつろぎまくって伸び伸びしたピアノ・トリオ。


 ムーズヴィルはプレスティッジのサブ・レーベル。文字通り寛いだジャズを狙ったコンセプトらしい。1960年から63年にかけカタログ的には全39枚。短命で、意外といっぱいリリースある。録音は本盤用と拘らず、過去の没テイクも本レーベルで発表してたっぽい。
http://www.jazzdisco.org/prestige-records/catalog-moodsville-series/album-index/
 レッド・ガーランドは特に初期の本レーベルで重宝された。そういうイメージだったのかね。カタログ・ナンバーでいうと1、2、3、6、10、14、32、33、34、35、37と11枚、約1/3のLPにクレジットされた。後半はセッションまとめだから、LP全部で弾いてるわけじゃないけれど。
 しかも1、3、6、10がガーランドのリーダー作。10枚中4枚って、やっぱもてはやされてる。

 寛ぎ狙いの本盤で、どんな演奏を期待したらいいだろう。少なくとも、本盤では結構腰くだけ。エディ"ロックジョウ"デイヴィスを迎えた、本シリーズ1枚目のほうが、演奏は好みだ。

 本盤はベースがポール・チェンバーズで、ドラムがアート・テイラー。凄腕が集まった、と言えるはず。だが、どうもドラムがヘンテコ。(1)からブラシのアクセントがピアノと奇妙にずれている。ハイハットのタイミングも妙に溜めてるし。

 ベースは着実。時にアルコで太い音を響かせる。だが、それだけ。決して手を抜いてるといわないが、いまいちスリルに欠ける。
 ピアノも淡々と奏でるのみ。バーの片隅で、適当に弾いてるような気分だ。
 だが、アルバムのコンセプトから言うと、間違ってない・・・よなあ。

 顔ぶれから想像する、もうちょっとシャキッとした寛ぎを求めたい。なのに、どっか胸元寛げたリラックスぶりにやられる。そんな、盤。

 過大な期待を抱かず、すんなりBGMに楽しむべきだろう。でも、そうするとドラムのちょっと変なアクセントが異様に気になる。酔っぱらってたんじゃなかろうな。
 その一方で(4)でリムショット(?)と思しき音色は悪くない。

 ようは変に肩の力を入れず、すっとセッションした一枚。そんな風に無邪気に聴くべき盤かもしれない。
 選曲は6曲中、2曲がガーランドのオリジナル。自作曲も投入のあたり、適当とは思えないのだが。

 なお本盤の録音は58年11月21日。ムーズヴィルの1作目、ガーランドのトリオ+ロックジョウは59年12月11日。ムーズヴィル3作目と10作目のガーランドによる、ピアノ・ソロは60年4月2日の録音。
 ・・・この盤、没セッションを「肩の力抜けてるから」って倉庫からリリースしたわけじゃないよね。

 ガーランドのディスコグラフィ見ると、マイルスとセッションしながら本メンツでトリオを結成が56年。吹き込みも何度となくある。
http://www.jazzdisco.org/red-garland/discography/session-index/
 録音はさまざまなアルバムに分散して発表のため、LP単位で整理しづらいが。トリオ結成から最低2年はたち、気心しれた仲のはず。

 本盤の録音、一週間後。"All Kinds Of Weather"(1958)で発表される58年11月27日を最後に、本トリオは解散。ベーシストが変わっていく。その辺の、微妙なタイミングの残滓かもしれない。こんど"All Kinds Of Weather"を聴いてみよう。

Personnel:
Bass – Paul Chambers
Drums – Art Taylor
Piano – Red Garland

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