"Thin Line Between Love And Hate" The Persuaders (1972)

 しぶとく生き残るパースエイダーズのヒット曲を収録した、ごった煮な1st。

 ヒット曲一発でメンバーを変えつつビジネスを続ける。そんなしたたかでしぶといショー・ビジネスだな、とキャリアを検索してて感じた。
 71年にNY拠点で結成したパースエイダーズは、もともとドゥワップのThe InternationalsとThe Majesticsのメンバーらが何人か集まり結成したグループとDiscogsに記載あり。
 しかしDiscogsの記述は謎が残る。経歴とレーベルがすっきりしない。

 まず経歴。元のグループへ手持ち資料で、裏付け取れず。The Internationalsは詳細不明。The Majesticsは同名グループが4ついたが(マイアミ、デトロイト、マサチューセッツ、NY)、どこにもオリジナル・メンバーの記述無し。
 だがこれは不思議でもないか。ぼくは情報を網羅してないし、同名のグループが当時に、ほかにいたって、全く不思議じゃない。山のようにいたろうし。
 とにかくグループはSmokey Scott、Jimmy Barnes、Charles Stodghill、Willie B. Hollandの4人がオリジナル。

 つぎにレーベル。Discogsには71年にATCOと契約とあるが、パースエイダーズの盤はまずWin Or Loseから出てる。ATCOのサブレーベルなの?
 いっぽうで最大のヒット曲"Thin Line Between Love And Hate"は、ATCOから発売。ローカル・シングル1枚のあと、ATCOと契約?その割に本盤、1stアルバムが翌年Win Or Loseから発売。しかもATCOのヒット曲"Thin Line Between Love And Hate"を冠して。ややこしいな。Win Or Loseへ契約が残り、バーターで1stアルバムはWin Or Loseからってことかなあ。

 本盤のプロデュースはPoindexter兄弟。ソウル界で数々のヒット曲を飛ばした二人みたい。Discogsに色々とシングルが載っていた。アレンジも兄弟の一人、リチャードが施してる。なおストリングスは有名プロデューサー、アリフ・マーディンが担当した。それなりに予算かけたみたい。
 バックバンドはYoung, Gifted And Bad。この名義でほかに活動したかは不明。本盤以外での活動履歴は検索で見つからなかった。こういう情報はネットにないんだよな。実際の盤を買いながら、クレジットを整理し知識増強や、耳を澄ませ音の共通性を推測しかないのかも。

 しかし本盤の場合、あまり楽器演奏を追う気にならない。なんともノリの悪い演奏だから。荒っぽく雑だ。どたすかとリズムが暴れ、歌と中途半端に溶ける。この辺が本盤を聴いてて、なんとももどかしい。
 楽曲はアップとバラードを混ぜて、バラエティに富んだ仕上がりを狙ってる。ストリングスが入ると甘く落ち着くが、それでもハイハットのぎこちないノリが演奏を安っぽくしてしまう。

 良い曲もある。だがとっ散らかったごった煮の印象が強いアルバムだ。たぶんこれは、アレンジと演奏をじっくり煮詰めたほうがいい。どうにも粗製乱造な印象を受けた。
 
 なお僕が聴いてるコレクタブルズ盤の再発は、なぜか次のアルバムに収録する二曲を(6)と(12)にボーナス収録あり。したがって普通にCD曲順で聴いてると、さらに流れが分断錯綜し、イメージがブレてしまう。どうせボートラなら、最後に2曲まとめて入れてほしかった。

 さて。あとはディスコグラフィをまとめておく。Wikiのシングル情報はDiscogsの情報と合わず。正しい情報は不明なので、Discogs中心でアルバムだけ羅列することにした。
 シングルは膨大だし、現物見ないとわかんない。こういう検索してると、コレクター魂がむくむく刺激されるね。

[Discography]
1972 Thin Line Between Love And Hate (本盤)
1973 The Persuaders
1974 Best Thing That Ever Happened To Me
1976 It's All About Love
1996 Stayed Away Too Long
2005 Made To Be Loved
2013 Love Lessons (EP盤)

  

 そう、パースエイダーズは21世紀の今も生き残ってる。ただしメンバーは総とっかえ。特にヒットは飛ばしてないのに。オフィシャルWebはこちら
 今のメンバーはVincent (Vince) Ballard,Sylvester (Jay) Jones,Tmarvin williams,Keith (Soul) Simmons。
 それをパースエイダーズと呼ぶ必然性はあるのか、と思う。しかしパースエイダーズの名前を商標登録し、存続させている。クラブ・サーキットはやってるのかな。情報は見当たらず。よっぽどきっちりしたマネジメントがいるんだろう。大したもんだ。

Personnel:
Lead Vocals - Douglas Scott
Chorus - Charles Stodghill, Douglas Scott, James Barnes, Willie Holland

Producer - The Poindexter Bros.
Arranged By - Richard Poindexter
Arranged By [Strings] - Arif Mardin

Backing Band [Rhythm Section] - Young, Gifted And Bad
Bass - Harry (Al) Giscombe
Drums - Leroy Quick
Guitar - Angel Luis Paniagua, Jr.
Vibraphone [Vibes] - Paul Young

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