"Land of the Rising Noise Vol 3" V.A. (1998)

 アンダーグラウンドな日本のシーンを紹介するコンピ。今聴くと、豪華なメンバーと今は聴けぬユニットの音源が詰まって面白い。


 惜しむらくは本盤、クレジットが非常にあいまいだ。(1)はAMTのみ名義な時代の音源。メンバーのクレジットが無い。混沌なサイケをかなり密やかに盛り上げた。
 (2)は元ボアダムズの吉川豊人が結成したユニット。アルバムは"SoWap"(1995)のみかな。本曲はもちろんこのアルバムに未収録。98年リリースのEP"Jolly Throats"から、タイトル曲を再収録か。
 大友良英,Sachiko M,一楽儀光のユニット(3)は録音クレジット無し。けっこうぐいぐい派手なノイズを聴かせる。静かだがノイジーな展開が面白い。

 田畑満の(4)はエレクトロで不安定な展開を、歪んだメロディアスで包んだ不思議な世界観の電子音楽。
 (5)の草深公秀のユニットK2はノイジシャンってイメージあった。実際ここでもげしゃげしゃのノイズだ。ハーシュな展開とテープ操作っぽい唐突な音像の変化がテーマか。

 (6)は大阪で89-98年まで活動の女性サイケ・バンド。アルバムは3枚残してる。本盤クレジットでは「バンドは既に終了」と明確に記載あり。本盤はここまで混沌中心な音像ばかりだったため、ギターがサイケにしゃくるものの、女性ボーカルがりりしく歌う本曲は貴重なペース・チェンジになっている。
 (7)も知らないバンド。打ち込み電子音みたいな音像だが、やたら音質悪い。いっぺんスピーカーから出し、再録音したかのよう。短い作品ながら、奇妙なポップさが面白かった。

 (8)も初めて聴いた。いわゆるハーシュだが、音を出しっぱなしじゃない。鋭くカットアップする。マゾンナのような全力疾走でなく、無音も混ぜたスピード感。さらにノイズそのものもあまり音数増やさず、シンプルだ。一方で全体をうねらせず、複数の電子音を重ね合わせ、立体感を産む。これはかっこいい。

 (9)は00年にコラボ・アルバム"一億と一番目の祈りを導きだせばいい"を出すが、本盤収録は別の音源かもしれない。ロックなビートを、灰野の独特な譜割でかき回すダイナミクスが聴きどころ。中間部のギターは怖のほうか。妙にひしゃげた録音が、安っぽくもスピーディな色を出してる。

 (10)も本盤で初めて聴いた。91年大阪で結成のスカムコア。98年に録音と数少ないクレジット記載の曲。メンバーは河合カズキやTom Nagata。本盤はさらにIzumi Electroも参加した。コミカルなボイスをリバーブたっぷりでかぶせたり、パンキッシュな演奏に向かったり。いい加減でユーモラスな楽曲を提示した。

 (11)も知らないミュージシャン。ジャケット記載の連絡先は、横浜になってる。Discogsによると97-99年に何枚もアルバムを出していた。ドローンっぽい空虚な響きを漂わすノイズ。

 最後の(12)も初耳。78年に光束夜の立ち上げメンバーであり、07年で逝去とある。本盤収録は単独名義ながら、向井千惠や高橋幾郎(ex;不失者など)たちとの98年に高円寺ショーボートでのライブ音源。ノイジーなサイケ・ロックを12分じっくりかけて披露した。

 実はアシッド・マザーズ・テンプルやI.S.O.、灰野敬二らを目当てに買ったのだが。そしてそれらのグループも面白いのだが。それ以外のミュージシャンによる、ちょっと古めかしくパワフルな楽曲にも惹かれた。
 マスタリングのせいか、いまいちのぺっとした音像なため、限りなく音量上げて聴くほうがいい。

Track List;
1.Acid Mothers Temple "Super Sunshine" 6:18
2.Grind Orchestra "Jolly Throats" 3:23
3.I.S.O. "00:1746" 6:27
4.田畑満 "Untitled" 3:09
5.K2 "We Destroyed Barcelona Again" 6:49
6.Mady Gula Blue Heaven "Kokoro No Kakera" 3:17
7.身長2m "Baka Yeltsin" 2:02
8.遠藤一元 "Untitled" 4:10
9.怖 & 灰野敬二 "Session" 9:16
10.Ultra Fuckers "Prince Of The Land Of The Rising Sun" 2:42
11.Yukiko "Okayuya" 5:19
12.金子寿得 "The Darkness Point" 12:06

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