"Shades Of Redd" Freddie Redd(1960)

 洒落た作曲術と気取ったジャズが楽しめる一枚。アドリブよりも、作曲家だ。


 自らも出演した舞台"The Connection"の音楽を担当、乗りに乗ってるフレディ・レッドの生き生きした作曲術が満載な一枚。ベースのポール・チェンバーズの廉価版ボックスに収録の盤だが、やはりポールはサイドメンだ。アルコや指弾きを使い分け、どんなにいかした演奏をしてたって。

 そして本盤の主役はどちらかと言えば奏者でもない。見事に流麗で華やかかつ洒落た雰囲気の作曲だ。2管編成のハードバップ構成ながら、溢れるサウンドは熱さよりも洗練だ。テーマからして見事に凝った器楽的でキャッチーなメロディを響かせる。
 全曲がフレディのオリジナル。リーダー作5thの本盤は、前作"The Music From The Connection"(1960)に続き、すべてを自作で埋め尽くした。

 サイドメンは前作に続くジャッキー・マクリーンに、ティナ・ブルックス(ts)を加えフロントを厚くした。さらにリズム隊も総とっかえ。強力かつ流麗なアンサンブルを作った。
 テナーも高めの音域を多用し、ぱっと聴きでどっちがテナーか一瞬分からない。柔らかなリードでずるずると甘いタンギングを使うサックス勢は、どこか滴るようなルーズさを楽想に加えた。
 逆にリズムはオーソドックス。ピアノはたっぷりエコー感をまとい、ロマンティックに音を弾ませる。ファンキーだが熱いぶつかり合いではなく、どこか超然とした透明さあり。
 その一方で冷徹な整いまでいかないのが、フレディの個性か。

 ひらひらとサックスが舞い、ピアノが緩やかに鍵盤を叩く。ベースは訥々と弾み、ドラムはさりげなくビートを刻んだ。

 ジョン・ゾーンがこの時代のモダン・ジャズを再解釈した傑作"News for Lulu"(1988)に収録した、フレディ・レッドの曲はすべて本盤で聴ける。(2)、(4)、(7)がそれだ。
 ブルージーを下敷きに、カントリーやスイング、ラテン風味を次々に披露する。アドリブや演奏よりも、テーマの旋律へまず耳が行ってしまう。

 この直後、フレディやジャッキーは舞台を映画化した"The Connection"にも出演した。DVDは一応あるが、けっこう高価だ。ジャンキーをテーマにしたという不穏な映画、いつかは字幕付きできっちり見てみたい。

 

Track List:
1. "The Thespian" - 7:00
2. "Blues, Blues, Blues" - 6:00
3. "Shadows" - 7:24
4. "Melanie" - 5:06
5. "Swift" - 4:02
6. "Just a Ballad for My Baby" - 4:14
7. "Olé" - 6:26

Personnel:
Freddie Redd - piano
Jackie McLean - alto saxophone
Tina Brooks - tenor saxophone
Paul Chambers - bass
Louis Hayes - drums

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