"Quality Control" Jurassic 5 (2000)

 クールに跳ねるビート感が、たまらない傑作。軽く蹴っ飛ばされ続けてる感じ。

 リアルタイムじゃなく、後追いで聴いてグッと来た。ラップで特に好きなのはPete Rock & CL Smooth"The Main Ingredient"(1994)。レコード掘りまくって、小刻みにサンプリング。それを小粋なファンキーにまとめるスタイルが良いなと思った。
 ジュラシック5は当時、名前くらいは知ってたが聴きそびれ。さほどラップを追っかけてないし。だがなんかの拍子に本盤を聴いて、当時に聴いておきゃ良かったと後悔した。
 
 すさまじく、かっこいいじゃないか。
 MC4人にDJ2人のスタイル。ウータン好きとして、大勢でわさっとラップする厚みもうれしい。
 本盤は比較的、DJ Nu-Markの色が濃い気がする。カット・ケミストもプロデュースのクレジットあるけれど、冒頭にヌ・マークの作品を聴くせいと、僕が好きな曲が彼の作品なのが理由。実は。
 数曲ではShafiq Husayn名義のThe Sa-Ra Creative Partnersもプロデュースあり。
 
 乾いたビートが本盤の特徴だ。凄まず、ぼやかず、情感に流れない。コンクリートの硬い空気を全編に漂わせ、ビートは目まぐるしく転がっていく。延々とリズムを繰り返さず、ころころと風景を変えていく。乾いたドラム・ビートはむやみに激しく鳴らない。

 (2)や(8)での、したたかに弾むノリが良い。いろいろと悩ましいことをとりあえず脇に置き、軽やかに脳みそが揺れていく。このセンスにやられた。
 なおシングルは(2)と(5)と(8)。つまりジュラシック5の売れ線と設定した曲、そのままだ。彼らの狙いにずっぽりハマってしまってる。

(2) "The Influence"  


(5)"Quality Control"
 

(8) "World of Entertainment (W.O.E. Is Me)"

 
 (10)のクラシックとヒップホップを足したセンスも良い。ブレイクでのクラリネットのネタ元はShelly Manneの"Flip"(The Three and the Two,1954)。チェロはなんのサンプリングだろう。なおこの曲も、ヌ・マークのプロダクション。

 
 本盤が彼らの2ndにしてメジャーデビュー作。張りつめた気合と、肩の力抜いて伸び伸びとグルーヴさせるゆとりの両方が、抜群の比重で混ざり合った。

 "モノ"が欲しくなったときのために、こんなリイシューも昨年にあったとメモしておこう。

Track List:
No."Title"  Producer(s) Length
1."How We Get Along"  DJ Nu-Mark 1:14
2."The Influence"  DJ Nu-Mark 3:56
3."Great Expectations"  DJ Nu-Mark, Cut Chemist 3:37
4."Quality Intro"  Cut Chemist 0:31
5."Quality Control"  Cut Chemist 4:48
6."Contact"  Cut Chemist 1:15
7."LAUSD"  Cut Chemist 4:07
8."World of Entertainment (W.O.E. Is Me)"  DJ Nu-Mark 3:57
9."Monkey Bars"  DJ Nu-Mark 4:06
10."Jurass Finish First"  DJ Nu-Mark 4:35
11."Contribution"  Shafiq Husayn 3:45
12."Twelve"  Shafiq Husayn 4:25
13."The Game"  Cut Chemist, DJ Nu-Mark 4:34
14."Improvise"  DJ Nu-Mark 3:28
15."Swing Set"  Cut Chemist, DJ Nu-Mark 5:18

Personnel:
DJ:Cut Chemist,Nu-Mark
MC:Zaakir,Chali 2na,Akil,Mark 7even

関連記事

コメント

非公開コメント