"24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN" V.A. (2010)

 日本語ラップ、至高の傑作アルバムだ。

 この盤収録“24 BARS TO KILL”のPVを見て、猛烈に日本語ラップへ興味が出た。僕としては、思い出深い一枚。なんでPVを知ったか覚えてない。たまたまYoutubeのトップページにあったのを、クリックしたとかそんな感じ。


 4人のラップっぷりに、それぞれ個性ある。わかりやすい違いと、ギャングスタとは違う不良っぽい凄みがかっこいいなあと思った。当時ぼくは40歳初頭で、いまさら惹かれはしなかったが。

 本盤を入手して参加ラッパーを調べると、実に幅広い人気ラッパーが参加とわかった。ラッパーのショーケースとしても良質な仕上がりだ。(3)でラッパーを次々に並べ立てるライムも面白かった。
 参加ラッパーは30人あまり。とにかく曲ごとに数人のラッパーがマイク・リレーする。今まで集団ラッパーの作品を聴いてきたが、率直なところ聴き流してた。けれども本盤で恥ずかしながら初めて、ラッパーの個性ってものに興味を持った。人それぞれ、いろんな声質やリズム感、アクセントに譜割があるんだなって。なぜ今まで興味持たなかったのが不思議なほど。
 同じフレーズに声を重ねるダビング・ラップのテクニックにも、初めてピンと来た。

 本盤は90年代中盤から活躍を始めた、アメリカのプロデューサーSKI BEATZが当時にリリースした"24 HOUR KARATE SCHOOL"の日本人版。双方の盤を作成に至るきっかけは不明だが、同じコンセプトでもラッパーが異なると、こんなに印象変わるのか。聴き比べも楽しい。

 ぶっちゃけ、トラックはアメリカ仕込みで日本語ラップを想定してない。弾むビート感と、日本語の譜割が溶けるアクセントの複層が本盤の魅力だ。ラップのフロウと、小刻みに畳みかけるビート感が軽やかな浮遊を演出した。
 トラックのアプローチも多彩で、リズミックなファンクネスから、メロウな滑らかさまで幅広い。

 つまりは本盤、とにかくいろんな要素がごちゃっと詰まってる。好奇心くすぐる仕掛けがそこら中にあり。
 
 この盤はトレイラーも秀逸だ。5分以上の長いものだが、録音の様子やそれぞれの面構えを確認できて面白い。


 もし日本人ラップを聴いたことないならば、自信もってお勧めできる一枚。

TRACK LIST
01.“AMEMURAN DREAM”/韻踏合組合
02.“GO”/SEEDA
03.“日本人ラッパー総選挙”/般若
04.“24 BARS TO KILL”/ANARCHY, RINO LATINA II, 漢, MACCHO
05.“JAPANESE TOKKOTAI BANCHO”/TETRAD THE GANG OF FOUR
06.“MY CITY”/GAZZILA
07.“HEAVEN'S DOOR”/RYUZO, B.I.G. JOE
08.“RUNNIN'”/バラガキ, ZEUS
09.“REMEMBER SHADOWMEN”/KGE THE SHADOWMEN
10.“ROC RATED”/ANARCHY, LA BONO, RYUZO
11.“MCW (Mucha Cucha Waru)”/TWIGY, DABO
12.“FOLLOW ME”/SMITH-CN
13.“HEY TAXI”/ISSUGI, S.L.A.C.K.
14.“24 BARS TO KILL REMIX feat. DJ TY-KOH”/ZEEBRA, D.O., SIMON, SHINGO☆西成

 なおYoutubeを検索すると"24 Bars To Kill"のトラックを使った、さらなるラップ曲が聴けるのが楽しい。どんだけラッパーがいるんだ、って気分で面白いったらない。とりあえず一つだけ貼っておく。

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