"Chambers' Music: A Jazz Delegation From The East" Paul Chambers (1956)

 若者が自分の今のジャズを、とりあえず録音したって勢いの盤。才人の秀作か。

 ポール・チェンバーズの初リーダー作。LAのインディ、Aladdinのサブ・レーベルJazz: Westが56年に発売した。
 同年3月に録音だが収録日も曖昧なあたり、まだ注目もされてない若者の独自録音っぽい。discogsによれば、Aladdinの違うサブ・レーベル、Scoreから2年後の58年に再発。それなりに需要はあったのか。

 Aladdinが62年にImperialに売却され、64年にLibertyがImperialを吸収とレーベルが生々流転につれ、盤そのものは再発が重なる。ついにLibertyがユニバーサル傘下に伴い、Blue Noteブランドで再発され今に至る。
 発売履歴を追うと、決して順風満帆な録音/発売ではない。コルトレーンが参加し、セッションメン的には非常に豪華だが。

 本盤録音が56年3月。2月にマイルス・バンドが西海岸でライブを行っており、そのツアー合間に録音ってことか。ピアノにレッド・ガーランドを外し、少しは若手なケニー・ドリューを起用も、マイルス・バンドとのあまりの類似性を嫌ったと思われる。
 もともとマラソン・セッション時代以外はマイルスと録音残してない程度の付き合いなガーランドが、若者に付き合ってられんと不参加もあり得るな。

 演奏は結構荒っぽい。特に若吹きでフレージングやピッチが不安定な、コルトレーンの出来不出来が激しい。
 フィリーのドラミングは前のめりでかっこいいし、無難なロマンティシズムを演出するピアノもまずまずだが。もちろんフィリーと息の合ったリズムを繰り出す、ポールの着実さは聴きものながら。

 全体像の感じは、妙に煮え切らず尻切れトンボ。(6)の最後はカットアウト気味に放り出され、なんか消化不良な気分。
 ピントが今一つあっていない。オリジナル1曲のみの選曲も、なんかコンセプトを読み取りにくい。ドリューのオリジナル1曲も、印税狙いかと邪推したくなる。

 とはいえベニー・ゴルソン作曲の(2)や、アルコで滑らかに軋ませる(3)みたいな、ごっつりハード・バップはいかしてるんだよな。
 ポールのオリジナル(4)は、ベース・フレーズをとりあえず曲にしてみました、風の仕上がりで、粗削り。
 悪くはないが、もさっとした印象のアルバムだ。聴きこめば印象変わるかも。

Track List:
1. "Dexterity" (Parker) - 6:46
2. "Stablemates" (Golson) - 5:53
3. "Easy to Love" (Porter) - 3:51
4. "Visitation" (Chambers) - 4:55
5. "John Paul Jones" (Shapiro, Pascal, Charig) - 6:56
6. "Eastbound" (Drew) - 4:22

Personnel:
Paul Chambers — bass
Kenny Drew — piano
John Coltrane — tenor saxophone
Philly Joe Jones — drums

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