"You Wash... I'll Dry" Everyday People (1990)

 サザン・ソウルを丁寧にトレースし、英国風味を混ぜた快盤。


 本盤一枚で消えた、3人組の英国ソウル・グループ。本盤のWikiもあった。前身となる英ソウル・バンドFloy Joyがアルバム2枚を残して1985年に解散後、関連メンバーのDesi CampbellとShaun Wardが、地元のギタリストLloyd T. Richardsをスカウトして結成とある。
 CDのブックレットには細かくクレジットあるも、筆記体で判別が無理。プロデューサーはStewart Levine。アメリカ人だがイギリスのソウル系も多数手がけたベテランだ。

 アルバム1枚から5枚ものシングルを切り、何とか商業的成功を狙った努力はうかがえる。残念ながらかなわず、バンドは再び解散したのだが。
 まず1stシングルが(3)。カップリングの"Inside Your Love"はアルバム未収録だ。
 次が(6)と(10)、(2)とアルバム未収"Keep Away From Home"、(8)と(5)にアルバム未収"Heaven Through Your Eyes"と、計4枚が90年に続々シングル・カットされた。
 最後に翌年(7)と(10)の組み合わせでシングルが切られ、このバンドのリリースは終わる。
 アルバム未収が3曲あるあたり、シングルで差別化を図るイギリスらしい戦略だ。マイナー・バンドゆえかアルバム未収録曲はYoutubeでも聴けない。だが(3)と(2)のPVはYoutubeで見つけた。
 

 一曲目から素直なアメリカン・ソウルへの憧憬が微笑ましい。
 しかし二曲目から鍵盤やリズムの使い方で、うっすらとイギリスっぽい青白き硬質さが滲んでくる。コーラス・グループではなく、あくまでユニットのようだ。
 (4)ではうっすらとゴスペル風味を出したりと、黒人音楽をベースにさまざまな色合いを含ませてる。録音時代にしては珍しく、ホーンは生演奏。ドラムもどかすかとエコー感は強いけれど、生演奏みたい。
 ホーン・アレンジは本盤参加のラリー・ウィリアムズが全曲を担当。確証が取れないが、ラリーはDiscogsので、同じくホーンのハリー・ヒギンスがだろうか。

 (6)はぐっと白人っぽいメロウさ。シンプリー・レッドとか、あの辺を連想した。黒人音楽を消化したバラードで、滑らかなロマンティックさを持つ。(7)はスティーヴ・ウィンウッドに通じるファンキーな曲。生演奏ならではのグルーヴが頼もしい。
 (10)ではシャープなギター・カッティングを前面に出して、爽やかなポップスを提示した。本盤のカラーではむしろ異色だが、この曲が好き。
 
 全般的に生演奏ゆえか、普遍性ある。若干の古びさはあるけれど、今でも素直に楽しめた。当時、こんなバンドがいたなんて知らなかった。売れずに解散は残念。もっと活躍したら面白いソウルの解釈を聴かせたかもしれない。

Personnel:
Desi Campbell - Vocals
Shaun Ward - Bass, Backing Vocals
Lloyd T. Richards - Guitar

Richie Stevens: ds,per
Jim Williams; g
Aaron Zigman; p,org,clavinet,and key
Adrian Carr ; key on 6,and Backing vocals
Lennie Casho: per

Larry Williams; ts
Jim Worn: bs
Dan Higgins: ts
Steve Madeo: tp
Chuck Findley: tp
Summy Levine; cuppucino machine on 8
Mark Russo; sax solo

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