"Blimmguass" SaxRuins (2014)

 ルインズの派生ユニットで5年ぶりの2nd。インプロも混ぜ、バンドらしさを増した。

 サックス・ルインズはルインズの派生ユニット。本体が活動停止、今はサンプラーへのドラム演奏なルインズ・アローンのみだ。本プロジェクトが自己完結なのと対照的に、こちらはバンドとしての色合いが強い。実はいまだにライブを聴いたことがなく、どんな生演奏かは不明だ。
 個人的には吉田隆一や小森慶子と、吉田達也でのサックス・ルインズも聴いてみたい。

 サックス・ルインズはアルバムだと、小埜涼子がサックスを猛烈にダビングして構築度を高めてる。高速即興もルインズの魅力の一つだったが、むしろプログレな完成度が先に立った。1stがキャリア横断な選曲なこともあり、むしろルインズ・ファンの演奏へ吉田達也自身が関与したかのような聴き方をしてしまってた。
 本盤でも山のようなダビング・スタイルは変わらず。ただしリフをサックス多重で鳴らしながらも、アドリブやフリーなフレーズ対比を施すなど、ぐっと肉感度を増した。こっちのほうが、僕は好みだな。
 
 本盤は一曲を長めにアレンジし、たっぷりと楽曲に向き合った。
 ルインズ後期3作のスタジオ盤に収録レパートリーが中心だ。古めな曲は"Refusal Fossil","Del Fanci Kant","Bighead"。"Lariko Shodel"はどのアルバム収録だろう?
 "Zwimbarrac Khafzavrapp"は2013年に吉田達也がNYのブラスバンドASPHALT ORCHESTRから委嘱の新曲。サックス・ルインズ用にアレンジで、本盤に投入となった。

 "Lariko Shodel"はフルートも多重録音して、精密でダイナミックな仕上がり。ルインズならではのスピード感は吉田達也のドラムで成立するが、全く違うバンドだなと実感する。
 サックス・ルインズで最も違和感あるのは、重心が軽いこと。ドラムとベースが前提の楽曲だったため、サックスの高域中心のメロディだと綺麗だが凄みにかける。せめてバリサクでぶりぶりと野太く疾走曲も聴いてみたい。

 なお前述の吉田隆一は(4)と(6)でゲスト参加。派手にパワフルなサックスが鳴るとこが、彼の手腕か。音盤で吉田達也&隆一の共演って、この盤くらいしか思い当たらない。高円寺百景でもいいが、緻密で豪快な吉田隆一のサックスを、ぜひ吉田達也のドラミングともっと聴いてみたい。

 要するにルインズ、と思うからいろいろと意見が出てきてしまう。猛然なスタート&ストップな脱臼メロディを、多重録音で精妙に仕立てたバンドとして全く別次元から聴くべきだ。
 すると本盤の魅力がくっきりと浮き出てくる。終盤の小品インプロ4連発の展開もすごい。オクターバーを噛ましてるのか、異なる音程のメロディが唐突に飛び出し、ドラムと絡んでく。
 
 どこかおっとりとメロディアスなのが、小埜の持ち味か。フリーキーに炸裂しても、全体のムードは整った耳ざわりを残してる。
 うーん、3rdはインプロ中心でがっつり長尺の演奏を聴いてみたい。

 YoutubeではSaxRuinsの映像もあり。エフェクター多用し、サックス一本ながら厚みある音像を作ってる。雰囲気はわかるけどさ。やっぱり、生で聴きたい。僕が最近、ライブ行ってないからなあ。


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