"Sock-O"(1995) biscuit

 クレイマーがプロデュースした、脱力サイケ・ロック。

 90年代のマイナーな情報はネットでうまく見つからない。本盤はマイアミのレーベル、Iconから95年に発売された。レーベル情報はかろうじてdiscogsに載ってたが、本盤の情報のみ切れている。CD番号はIC123だ。
 http://www.discogs.com/label/44307-Icon
 本盤のジャケ写もうまく見つからず。かろうじてなぜか日本の中古屋、駿河屋や米Amazonに載っていた。
http://www.suruga-ya.jp/product/detail/214012836001
http://www.amazon.com/Sock-Biscuit/dp/B004P3BFO8
 僕は発売当時、吉祥寺のワルシャワかレコファンでクレイマーの名前のみを頼りに手に取った。

 バンド情報はさっぱりわからない。メンバーは以下の男女二人。
 音楽性はギャラクシー500を、さらに下手くそかつ混沌に仕上げたもの。調子っぱずれな女性ボーカルを前面に立てている。

 かろうじてアコギやエレキが鳴り、簡便なパーカッションが曲によりダビングされるが、結局はそれだけ。クレイマー風のリバーブがかぶさり、不穏なドリーミーさが付与され、ようやく聴けるへんてこサイケ・ロックに仕上がった。

 つまり、クレイマーの魔術でのみ聴ける盤だ。

 クレイマー視点だと非常に気になる。クレイマーとスティーブ・ワトスンの共同プロデュース/エンジニアのクレジットで、ノイズ・ニュージャージーで94年5月に録音。すなわちマスタリングのみじゃない。どっぷりクレイマーが録音製作に絡んでる。

 いかにも往年シミーディスクを連想させる作りだ。
 ひねくれてアイディア一発の粗雑な音像を、不思議と意味ありげなサイケ・ロックに仕立てる、ドラッグの煙り漂う荒々しくてザワついた音像が詰まった。
 
 久しぶりに本盤を聴き返した。やはり取り立てて耳を引く名曲があるわけじゃない。
 だけどアルバム全体、イメージ戦略として本盤の音像はクレイマー・ファンの耳にくる。
 テンポもメロディもあやふやで、ギターのかき鳴らしはどこか調子っぱずれ。歌声も不安定だが、すべてを覆い隠すのが独特なエコー感。エッジを立てつつ、奥行き不透明にまとめる。
 
 シャカリキに探す盤ではない。たぶん中古でそんなに出回らない。でももし、見つけたら。あなたがクレイマーのファンだったら。
 さりげなく手に取り部屋で流して、シミーディスクの香りを耳で嗅ぐのも悪くない。

[track list]
1.summer shade
2.brad lackey
3.dark angel
4.impala
5.dog
6.snow falls
7.avalanche
8.!shake!
9.sea '77
10.supernova
11.meaty
12.ignore me

Personnel:
Jenny; Vocals and assorted noise
Jim;assorted noise and Vocals

produced & engineered
Kramer and Steve Watson

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