"Silent Weapons for Quiet Wars"(1997) Killarmy

 ウー・タン・クラン傘下のユニットで、1stアルバムにあたる。


 キラアーミーはウータン系ユニットではヒットした部類に入るらしい。メンバーは以下の6人。
Killa Sin
Beretta 9(別名Kinetic 9)
Islord
9th Prince
P.R. Terrorist (Dom Pachinoに改名)
ShoGun Assasson
 今もコンスタントに活動のラッパーは9th PrinceとDom Pachinoかな。

 本盤は元、米海軍将校の陰謀論者、ミルトン・ウィリアム・クーパーの著作から引用したタイトルを付けた。

 ウータンが少林寺のエキゾティックとギャングスタっぽい不穏さをアピールとするならば、キラアーミーは宇宙人陰謀論をテーマに同様のきな臭いうさんくささが漂う。けだるい雰囲気に見せかけ、意外とラップは畳みかけるスピーディさありと改めて気が付いた。

 構成員それぞれのキャラクター立ては音盤だけだと伝わりづらい。だがウータン本体に通じる、シンプルで煙ったサウンドが魅力的だ。
 乾いたハイハットと、あまり音を重ねない滲んだ雰囲気がかっこいい。
 久しぶりに聞き返したが、本体ほどではないにせよ、地を這うワサワサっとムサ苦しいムードが味わい深い。細かい箇所に聴きどころあるわりに、全体では地味かな。そのへんの暑苦しさがWu-tangと違う。
 
 本盤の主要プロデューサーは、ウータン系の凄腕プロデューサー、4th Disciple。発売された盤としては、本盤が彼の初全面プロデュース・アルバムのようだ。
 (8)と(16)でRZAもプロデューサーで登場、さらに華を添えた。

 ほとんどゲスト・ラッパーを招かずメンバーのマイク・リレーによる存在感で一枚を作る潔さも、バンドのコンセプトが明確になって良い。
 ゲストを羅列すると(2)でStreetlife、(8)でHell RazahとProdigal Sunn、(13)と(16)でMath Hoffa。誰もがWu-tang clan一派だ。
 そして最後、(17)の最終ヴァースで一軍のマスタ・キラが顔を出す。こういう細かい盛り上げ方も気が利いている。

 アルバムは全米チャート36位、ヒップホップ・チャートで10位とまずまずのアクション。シングル・ヒットに恵まれなかったのが難点か。本盤からは(8)、(10)、(14)、(15)がシングルのようだ。アルバム構成としては中盤から終盤にシングル曲を並べ、じわじわ盛り上げる作り。
 
 なおKillarmyとしては、翌1998年に2nd"Dirty Weaponry"、2001年に3rd"Fear, Love & War"と着実にリリースを重ねた。2010年に4thの発売が予告されたが、リリースに至らずバンドは解散してるらしい。






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