TZ 7371:John Zorn "Filmworks XXII: The Last Supper" (2008)

 豪華なブックレット付きのサントラ・シリーズ第22弾。


 幻想的な女性ハーモニーを軸に、シロ・バティスタとジョン・ゾーン自身のパーカッションを施した、シンプルで荘厳なサウンドだ。SF映画な本編を神秘的に演出が狙いか。
 バロック以前のクラシカルなハーモニーにも、超現代的にリズミックなコーラスにも聴こえる。ハイトーンの女性歌唱を目立たせつつも、歌声のテクニックはさまざまなアプローチが詰まった。ミニマルな面持ちも、そこかしこから漂い呪術風の空気を醸し出す。
 主役は女性コーラスで、パーカッションはいわゆるビートやリズミックな役割ではない。空気を定期的に振動させ、揺らがせる役割を担った。

 まずパーカッションを録音し、その後に女性コーラスをダビングしたらしい。無伴奏の女性コーラスも、ぴたりとタイム感が合っている。消されただけで、背後にパーカッションのガイドがあったのだろうか。

 ジャケットやブックレットには女性の裸体がふんだんにあしらわれている。セクシャルな印象をもたらす一方で、全て乳首を消されたヌードには異物か作り物みたいな雰囲気をふんだんに漂わす演出だ。

 この映画はArno Bouchard監督の短編映画"The Last Supper"。SFでありアート映画だそう。抽象的で血のイメージもいっぱい。トレイラーがYoutubeにあった。


 軽やかに弾む女性コーラスが産む粛々たる雰囲気は美しい。ときおり強く轟く打楽器の迫力と相まって、透徹な香りを味わえる。

Personnel:
Lisa Bielawa, Caleb Burhans, Martha Cluver, Abby Fischer, Kirsten Sollek: voicesCyro Baptista: percussion
John Zorn: percussion

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