TZ 5011:John Zorn "Bar Kokhba Sextet"(2005)

 NYのTonicで2003年9月に一ヶ月通しで、連夜行われたジョン・ゾーンの生誕50歳記念ライブ。TZADIKからCDシリーズの第11弾な本盤は、9月12日の1stセットと、9月13日の1st & 2nd set。実に3枚組のボリュームで、Masadaの派生プロジェクトBar Kokhbaの様子が収められた。


 すれっからしのゾーン・ファンからすると、一夜限りの特別企画の音源も聴いて見たい。とはいえメジャーどころも聴きたい。従ってこの大ボリュームなリリースは嬉しかった。
 確かに過剰。まとめて聴いても、それぞれの違いを表現は難しい。ゾーンは(というよりアメリカは、かな)ステージごとに一区切りを意識した構成らしく、Disc 2とDisc 3の差も、同じ夜なのに見出しにくい。 
 それだけ奏者のテクニックが優れており、水準もバランスも高い演奏を繰り広げた、ともいえるが。

 アルバム3枚通して、すなわち全セットでダブりの選曲は"Khebar"のみ。あとはセットごとで微妙に曲目を変えている。
 新曲は特になし。"Masada Guitars"(2003)のみで音盤発表の"Kivah"(Disc 1:初日1stセットで演奏)など、多少珍しい曲も時に取り上げられている。

 もともとBar Kokhbaは不定形のユニットだった。だが本盤でCyro Baptistaがメンバーに加わり、安定したアンサンブルが構築された。ゾーン馴染の顔ぶれで、一級品のレギュラーぞろい。さらにグレッグとジョーイのMasadaリズム隊も健在だ。
 Masadaはデイヴ・ダグラスとゾーンの二管を筆頭のフリーな展開。これがBar Kokhbaを筆頭に、よりコントロールされた室内楽編成に拡散していく。
 
 どの演奏も危なげなく破綻も無い。即興要素ももちろんあるが、かっちりとコントロールされ、丁々発止の切愛では無くゾーンの指揮で丁寧に盛り上がる。
 スリリングだが安定した響き。そんな落ち着いたサウンドが本盤には詰まってる。

 個々のアドリブや展開に耳を澄ますのもいい。だがぼくはこの盤をつい、通してゆったりと聴いてしまう。寛いで、浸るために。

Personnel:
Conductor - John Zorn
Bass - Greg Cohen
Cello - Erik Friedlander
Drums - Joey Baron
Guitar - Marc Ribot
Percussion - Cyro Baptista
Violin - Mark Feldman


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