TZ 7331:John Zorn "Filmworks IX : Trembling Before G-d" (2000)

 この映画音楽はBar Kohkbaのバリエーションで、小編成にてMasadaのレパートリーを取り上げた。

 元のアイディアにBar Kohkbaを取り上げており、ジョン・ゾーンが同規模の低予算で新音源を提案するパターンだ。ところが出来栄えに監督側が難色を示した。映画に使えるのは18曲中、2曲しかないという。さすがに腹に据えかねたゾーンが、普段は行わぬ編集に立会いし、次々に曲のはめ込みをアドバイス。どうしても合わぬ数か所だけ、シロ・バティスタのダビングを施した曲を再提供した、とある。

 本盤の基調は鍵盤とクラリネットの素朴で切ない風景。時にテンポを変え、鍵盤ソロにしたりと趣きを変えつつ、曲が進む。アルバムとしてみた場合、ごく短時間の作品と6~8分に渡ってじっくりセッションする曲が交互にあらわれ、飽きない。
 きっちりした楽曲群だが、テーマの後はアドリブで展開するいつものジャズ的なアプローチだ。

 ちなみに安っぽいリズム・ボックスとクラリネット、静かなオルガンをバックにジョン・ゾーンが狂騒的に歌う、奇妙な曲もあり。これはこれで、面白い。

 Sandi Simcha DuBowskiが監督した本映画のテーマはユダヤ教正統派の教徒なゲイやレズビアンが自らの信仰に向かい合うドキュメンタリーらしい。厳かなオルガンは教会を、クラリネットは寄るべなき登場人物の不安な心情を表現か。ならば、このアレンジは素晴らしくテーマを捉えてると思う。

 映画のトレイラーは、これかな。映画のジャケットにも使われた、逆光の影絵っぽい色合いがきれいだ。


 映像をこのブログに貼れないが、これもトレイラー。
http://www.reelz.com/trailer-clips/43040/trembling-before-g-d-trailer/

 たしかに本盤だけ聴くと、音楽は似たような音像が続くかもしれない。けれどもトレイラーを見ると、じつに切ない雰囲気で映像にぴったりだ。 たぶん映画全編と思われる映像も、Youtubeにあがってた。


Personnel:
Chris Speed - clarinet
Jamie Saft - piano, organ
Cyro Baptista (12,17) - percussion
John Zorn (6) - voice.

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