TZ 7158:Roberto Juan Rodriguez "El Danzon De Moises"(2002)

 硬質なラテン風味のクレツマー・アンサンブル。端正で優美な雰囲気だ。

 Roberto Juan Rodriguezはキューバ系。Wikiによると自らはユダヤ人ではないが、父親のバンド演奏でユダヤ系音楽の演奏に親しみ、興味を持ったらしい。今まで6~7枚のソロ名義を出すが、ほぼすべてがTZADIKから発売と本レーベルの関係は深い。 
 さらに2014年にはMASADA 2の第23弾も担当した。

 本盤は大編成キューバン・ラテンバンド風の編成だが、ベースにBrad Jones、バイオリンにMark Feldman、ピアノがCraig TabornでパーカッションにSusie Ibarraなども加わり、疑似的なバンドっぽい。
 トランペットのRoberto Luis Rodriguezは1975年にマイアミで結成のラテン・バンド、Conjunto Impactoのメンバー。本盤リーダーであるジュアンの父親だろうか。
 

 ライナーにはホセ・マルティ(キューバの文学・革命家)の言葉「モーゼは死なない、モーゼは愛だから」と引用し、自らのキューバ文化への目配りも施した。
 なお本盤はジュアンの父母とキューバのユダヤ人に捧げられた。 

 楽曲は全て、ジュアンの作編曲。キューバン・ラテンを基調としながら、どこか寂しげな雰囲気を漂わす。演奏はタイトでビートも強靭だが、全体的には柔らかく暖かい。
 奏者のソロ回しももちろんあるが、本盤の聴きものはむしろアレンジだろう。

 ジュアンは本盤でパーカッションを演奏した。バンドリーダーに徹する役割は、NYのキップ・ハンラハンを連想する。だが彼ほどのハイブリッドさは本盤であまり感じない。むしろキューバのフィルターを通したクレヅマーという、異文化消化を素直に表現したと思う。

[Discography at TZADIK]
(2002)El Danzon de Moises【本盤】
(2004)Baila! Gitano Baila!
(2006)Oy Vey! Vey!
(2009)The First Basket
(2009)Timba Talmud
(2014)Aguares: Book of Angels Volume 23

 彼のライブ映像も貼っておこう。なんだか、おっとりした風景だな。
 
Personnel:
Accordion – Ted Reichman
Bass – Brad Jones
Cello – Jane Scarpantoni
Clarinet – David Krakauer
Clarinet, Trumpet [Trumpeta China] – Matt Darriau
Percussion – Roberto Juan Rodriguez, Susie Ibarra
Piano – Craig Taborn
Soprano Saxophone – Peter Apfelbaum
Trumpet – Roberto Luis Rodriguez
Tuba, Brass [Bombardino] – Marcus Rojas
Violin – Mark Feldman
Written-By, Producer, Arranged By – Roberto Juan Rodriguez

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