TZ 8316:Eyvind Kang "Alastor: Book of Angels Volume 21" (2014)

 アルバムごとに編成を変え、第二期Masada"The Book of Angels"の316曲を演奏のシリーズ。第21弾は現代作曲家でバイオリン奏者のEyvind Kangが登場した。

 彼の責任でもなんでもないのだが、ぼくが買った盤は非常に音飛びしてしまう。プレス・ミスか?したがって今一つ本盤を落ち着いて聴けて無いことをお詫びする。余裕出たら、MP3で買い直すかな。

 特にバイオリンなり他の楽器なり、Eyvind Kangの独奏を前面には出さない。むしろアレンジャーとして音全体をさまざまな色合いで表現した。

 後述のようにEyvind Kangはさまざまな楽器を演奏しつつ、大勢のミュージシャンを起用した。オーケストレーションを施し、優美で豪華なラウンジに仕立てたアルバムだ。
 単純な西洋オーケストラでは無く、アジアの楽器もふんだんに取り入れ、エキゾティックさも漂わす。中東とジャズをユダヤのキーワードで混ぜ合わせた、Masadaにふさわしい混淆を上手く取り入れたアレンジのアプローチだ。

 参加ミュージシャンは多いが、いわゆる大編成オケとは異なる。奥行深く丁寧にミックスされながらも、どちらかと言えばコンボ寄り。おそらくEyvind自身の演奏も幾層にダビング施され、録音風景は全く想像できない。
 (4)のようにシンフォニックなアレンジの場合も、大ホールの広がりよりも、スタジオのコンパクトな匂いがうっすらした。

 そういった幻想性も本盤の魅力。くっきりしたメロディを前面に出しつつ、音像は精妙に構成され、複雑に響く。アイディアがいっぱい詰まってる。密室的なサウンドだが、打ち込みや多重録音の独りよがりさは無い。

 編集してるとしても、あくまでもミュージシャンの生演奏が前提になっている。即興のダイナミズムよりは、アレンジされた強靭さで音楽の魅力を伝えた。
 きめ細かい編曲の流れは、聴きこむほどに楽しい。ただし常に緊迫感を持ち、いたずらなBGMに堕することはない。 
 
 本シリーズの常として、本盤収録曲はすべてジョン・ゾーンの新曲で、他のBook2とかぶることは無いようだ。こういうリアレンジの愉しみを味わう盤ならば、数曲は既発曲を取り上げて、編曲の違いをじっくり楽しみたかった。それが惜しい。

Personnel:
Eyvind Kang - electric bass, guitars, janggu, kacapi, kemancheh, Korg synthesizer, Moog synthesizer, oud, percussion, piano, setar, sitar, viola, violin, voice
Skerik - tenor saxophone
Hans Teuber - clarinets, flutes, tenor saxophone
Cuong Vu - trumpet
Emma Ashbrook - bassoon
Josiah Boothby - French horn
Taina Karr - English horn, oboe
Randall Dunn - Moog synthesizer, voice
Hidayat Honari - tar
Maria Scherer Wilson, William Smith - cello
Soyeon Park - geomungo
JungAh Song - gayageum
Shahzad Ismaily, Moriah Neils, Jacob Yackshaw - bass
Dave Abramson - drums, percussion
Tor Dietrichson - bongos, congas, clave, guiro, tabla, triangle
Hyeonhee Park - janggu, kkwaenggwari
Maya Dunietz, Jessika Kenney - voice

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