TZ 7209:Zuvi Zuba "Jehovah" (1996)

 男三人のむさ苦しくもユーモラスなアカペラ・ユニット。

 吉田達也のユニットで今に至るまでアルバムは本盤のみ。ただしバンドは断続的ながらも時折ライブを実施。
 さらに本形態はZubi Zuba Xと銘打ち、津山篤/河端一とのワールド・ツアーユニット、Japanese New Music Festivalでも繰り返しライブが行われてきた。

 吉田達也はストイックな前衛高速ドラムを叩くが、本質は非常に独特なギャグ・センスに溢れてる。決してクソまじめでは無い。そのユーモラスさが最も表出したのがこのバンドだ。赤天の声バージョンとも言えるが、あちらは楽想の意外さがネタ。こちらは三人アカペラで何をやれるか、が根本と考える。

 本バンドはいわば、声でのプログレ。には三音域でのハーモニー、ポリリズムも導入した絡み合い、シンプルなフレーズを積み上げ、音楽的には時に複雑だが可笑しみを常に漂わす。

 最初に聴いたときぶっ飛んだのは"Domo Domo"。ありふれた日本語を奇数連符と捉え、ポリリズミックに重ねたループ風の展開が斬新だった。
 いわゆる歌モノでは"Zubi Hymn"の荘厳さも捨てがたい。音構造やアレンジがコラール風なだけで、根本の絵面はなんとも面白いのだが。

 いわゆるインプロで好き放題ボーカリーズのコンセプトでは無い。かっちりとアレンジは決まっており、その中でいかほど遊べるかが本盤の構造だ。ライブだとインプロ要素あった気もするが。
 ダイナミックな"BitaVita"も良い。前半は静かに始まり、後半はワイルドに叫んでく。「ジャキンジャキン!」ってクソまじめに叫ぶ言葉選びにやられた。子供のバカ騒ぎをまともな音楽に仕上げたような勢いと、テクニックが素晴らしい。

 一曲ごとは無闇に長くしない。歌でなく声を使って、どれだけ遊べるか。それを悪ふざけやギャグでなく、まっとうかつユーモラスに仕上げたセンスが、本盤の魅力だ。

Personnel:
吉田達也:Alto Vocals
芝崎幸史:Tenor Vocals
高橋英樹:Bass Vocals

Zuvi Zuba Xのライブ映像を。ズビズバ本体の動画はYoutubeで見当たらない。


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