TZ 8311:Painkiller "The Prophecy: Live in Europe" (2013)

 復活ペインキラーであり、10年越しの貴重盤リリース、のはずなのだが・・・。

 正直、あまりにも相性が悪い。吉田達也とビル・ラズウェルの。吉田の魅力は4拍子を決して叩くまい、って勢いの変拍子の嵐だ。ところがラズウェルがメロディアスなフレーズをきっちり4拍子で提示すると、とたんにリズムは精彩を欠く。超テクニシャンの奇数連符の嵐に聴こえてしまう。それはそれで、ありだが。

 ハードコアで猛スピードのスリルが身上なペインキラーは、今回復活で速度を維持しつつ混沌なインプロに軸足を置いた。ゾーンも混沌に吹きまくりつつ、ドローンのようにロングトーンを響かせる。そう、めくるめく場面展開の急速性よりも、緩やかなうねりを前面に出した。
 それがまた、吉田の持ち味と今一つ噛み合わない。

 吉田達也のペインキラーに加入は、03年8月26日のフジロックが最初のようだ。
 彼のWebによれば、04年は6/27日にワルシャワのサマー・ジャズ・フェスティバルに出演。この年は9/22に新宿ピットインでもペインキラーのライブがあった。
 翌05年は6/18にベルリンのTransit Festivalに出演した。同年9月に中国ツアーの計画あるも、頓挫したらしい。

 本盤はこれら04年のワルシャワと05年のベルリン公演音源から収録した。なぜ十年後に改めてリリースに至ったか、経緯は良くわからない。日本の怪物ドラマー、吉田とゾーンのガッツリ競演って音盤な点でも、本盤は貴重だ。

 冒頭と最後に数分の小品、そして中盤に一時間越えの長尺とアンバランスな構成で。この大胆さが面白く、音源的にも重要で興味深い。・・・はずなのに。 
 いまひとつ前述のとおり、素直に楽しめない盤になった。これはやはり、ぼく自身がペインキラーに固定観念を持ってるため。頭を切り替えて、違う魅力や切り口に気づけたら、本盤は改めて味わえるはず。

 なおこののち06年に数公演やったのみで、吉田達也のペインキラー活動は無くなってしまう。 06年モスクワのライブ映像が、Youtubeにあり。あと、06年1月21日のライブは聴けた。感想はこちら


 その後のペインキラーのライブ履歴は今一つわからず。少なくとも08年6月23日にパリでのライブ映像が、Youtubeにあった。このときのドラムはオリジナル・メンバーのMick Harris。


Personnel:
John Zorn - alto saxophone
Bill Laswell - bass
Yoshida Tatsuya - drums

 ペインキラーの極初期音源もYoutubeにあり。ついでに貼っとく。94年11月22日、川崎クラブチッタ。本盤のさらに10年前だ。

 93年9月3日にNYのライブで、バケットヘッドと共演。

 これも93年のライブより。委細は不明。


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