TZ 7384:Masada String Trio "Haborym: Book of Angels Volume 16"(2010)

 アルバムごとに編成を変えて、第二期Masada"The Book of Angels"の316曲を演奏するシリーズ。第16弾は2回目のMasada String Trioが起用された。

 彼らの本シリーズ登場は、"Azazel" (2005)ぶり。もともと自発的なバンドでなく、ジョン・ゾーンの仕切りゆえに自由度も効くか。メンバーは前作から変わらず。ゾーンが本作でも指揮でクレジットされ、大まかな流れは彼のキューと思われる。

 普通に聴いてる限りだと、すべて譜面みたいに整った構成にアドリブが絡むアレンジで、とても即興的に構成を作ってるように聴こえない。
 本作ではラテン風味をほんのり漂わせ、よりダイナミズムを強調な気がする。クラシカルなアプローチから一歩踏み込み、生々しさを増した。
 
 (1)や(6)など聴き覚えありそうなメロディが出てくるけど、あくまでも本盤収録は新曲。他の盤とのカブりはない。コード進行よりモード的な作曲術な印象のMasadaだが、膨大な作曲力もさることながら、個々の旋律を覚えてるゾーンの記憶力も凄まじい。同じメロディを全く使わない。

 するどい旋律、弾むピチカート、ふくよかな和音と涼やかな弓さばきのアドリブ。(2)での三人が奔放に音を絡ませ合うスリルには、ぐいぐい惹かれる。
(6)での弓で弦を叩くピチカートなども混ぜた、溢れんばかりの祝祭感も素晴らしい。
 (8)のように現代音楽めいたアプローチも。いわゆる音楽ジャンルを軽々と跳躍する多彩さが出せるのも、卓越したテクニックを誇る三人であり、プロデューサーとしてゾーンが明確に居るからこそ。

 あらためてMasada String TrioでのMasada Book 2は、他の盤と毛色が違う。音楽性は、素晴らしく刺激的だが。

Personnel:
Mark Feldman - violin
Erik Friedlander - cello
Greg Cohen - bass
John Zorn - Arranged and Conducted

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