"さよなら室蘭長瀬氏~そしてエミ"(2008)AKETA~西川沖縄ユニット

 明田川荘之の娘、明田川歩のデビュー作。ついに親子二代の活動となった。


 アルバム名も長い。明田川の長い曲名で"コサック古沢またはネフリュードフ高木"(未CD化)を連想した。実際には二つの思いを込めたアルバム名。
 室蘭在住の友人、長瀬氏への追悼であり、後半のエミとは収録曲。ジャケット写真と"エミ"収録のCDを創るアイディアをもともと明田川は持っていたが、この機会に二つの想いをまとめてアルバム化した、との事情らしい。

 その収録曲"エミ"は古澤良治郎(ds)の作品。ライブでは何度も演奏してたが、明田川のテイクでCD化は初めて。なお古澤の演奏だと"キジムナ"(1980)に収録あり。


 他に明田川の新曲"世界の恵まれない子供たちに"も初CD化。ライブでは以前から演奏している。"テーマ・フォー・米やん"も初CD化。深夜ライブで聴いたことあったかも。実はあまり印象にないが、葬送行進曲をひねったような、いかにも明田川らしいユーモラスな曲だ。。
 お馴染みの"アルプ"が歌付き。歌詞を聴くと、かなり愉快なのだが。いつもこれは大真面目な顔で歌われ、それがそれで面白い。

 石渡との共演盤も初めてじゃなかったっけ。一夜の記録、見たいな雰囲気を漂わせつつ、さまざまな新味をアルバムに残している。その意味で本盤は、正しく明田川のリーダー作と言える。
 録音は07年6月末の二日間から抜粋された。前作"シチリアーノ"の半年後のセッション。明田川のライブは基本的に毎回録音とはいえ、けっこうテンポ速いリリースの決断だ。前/本作は、つい最近の演奏から切り取ったライブ盤って印象がある。

 この二日間は二人のベーシストを沖縄から招いた2days公演だった。そのうち西川勲のセッションを収録してる。アケタの店Webのここここを見比べると分かるが、ギタリストやフロントも日替わりだった。
 本盤収録の(5)のみ、後半の6月25日の演奏。ピアノとベースのみで、しみじみと切ないバラードを歌い上げた。

 センチメンタルさが良い具合にバンド・セッション全体に滲む演奏さだ。瑞々しいピアノの演奏をサイドメンが柔らかく支え、緩やかで愛おしい世界を作った。
 決して派手ではないが、じんわりと暖かいジャズが聴ける。明田川の世界が隅々まで広がった。

 ぼくはこの盤、とても哀切なムードを感じてしまう。特にそこまで統一した思いを込めたライブをしてないはずだが。アルバム全体から伝わるムードのせいか。

<収録曲>
1.エミ
2.アルプ
3.テーマ・フォー・米やん
4.室蘭・アサイ・センチメンタル
5.世界の恵まれない子供達に

Personnel;
明田川荘之:p
石渡明広:g
西川勲:b
楠本卓司:ds
明田川歩:vo


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