TZ 7345:John Zorn "Filmworks XV: Protocols of Zion" (2005)

 鍵盤奏者の、ジョン・ゾーンが味わえる一枚。

 マーク・レヴィンが監督したドキュメンタリー映画の音楽を収録した。タイトル"シオンの議定書"は、言わずと知れた陰謀史観の歴史偽書から流用。映画は911以降の反ユダヤ主義がテーマらしい。映画のWikiはこちら
 映像もYoutubeで8分割された全編が見られる。最初の一本だけ貼っておこう。


 タイトなシロ・バティスタのパーカッションを軸にベースとウード。さらにジョン・ゾーンが全面的に鍵盤を奏でた。本盤では同時演奏のダイナミズムははなから捨てた。ベースとパーカッションをおそらく先に録音し、ウードをダビング。鍵盤もフレーズごとにダビングされた。
 いわゆる即興的なフレーズでなく、きちんとした旋律をゾーンは奏でてる。決してテクニカルではないが、わずかに訥々とした旋律感が緊張感を煽り、全体は構築された音楽に仕上がった。
 
 きっちり縦線合ったリズムへ、少し震える鍵盤が被ることで切迫感を表現か。このアレンジは、素晴らしく巧みだ。
 テーマの旋律が形を変えて、さまざまに揺れる。この揺らぎの美しさが、本盤の肝だ。

Personnel:
John Zorn - electric pianos
Shanir Ezra Blumenkranz - bass, oud
Cyro Baptista - percussion



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