TZ 7351:Masada String Trio "Azazel: Book Of Angels Volume 2" (2005)

 アルバムでアレンジを変える、Masada第二弾"The Book of Angels"の316曲を演奏するシリーズ第2弾は弦楽三重奏。

 Masada String Trioはジョン・ゾーンの疑似バンドで、あくまで主導権はゾーンにある。そのせいかな。この後に出るさまざまなBook Of Angelsシリーズに比べ、いくぶん自由度が堅苦しく感じる。楽曲を渡した自由度は低く、ゾーンの目が光ってる、というか。
 
 指揮者としてゾーンのクレジットもあり。聴いてるぶんにはトリオ編成のインプロに感じる。このへんはゾーンの手腕かもしれない。ベースはMasadaの正規部隊、グレッグ・コーエン。さらにゾーンの盟友、マーク・フェルドマンとエリック・フリーランダーの布陣。クラシック寄りながら、即興も自在にこなせる凄腕が揃った。

 このとき、コーエンには自分がMasadaのメンバーっていう拘りや慣れはあるのか。それともゾーンのプロジェクトの一員っていう、シンプルな立ち位置のみか。
 他の弦二人が弓やピチカートを駆使して、弦奏法のアプローチを多用に攻める一方で、コーエンは指弾きでジャズ的なスタイルを頑固に崩さない。

 楽曲そのものにソロ回しの妙味や意外性は無く、がっちり整った演奏だ。ゾーンの指揮ゆえが理由のほとんどと思うが、凄腕ぞろいゆえのスマートな着地もありそう。
 演奏に破綻は無く、そのうえで実験的な奏法やフリーなフレーズもふんだんにあり。聴き応えある一方で、ヒリヒリする危うさに欠ける。
 しかし演奏そのものは、恐ろしくスリリングだから始末が悪い。なんというか、名人芸。

 演奏曲目は全て、本盤でのみ聴ける。新旧のMasadaプロジェクトとかぶりは無し。
 ベートーベン"運命"風のモチーフが頻出する(13)ではコーエンもアルコを多用した。しかしMasada曲よりゾーンの作曲を聴いてるかのよう。このへんも、ゾーンによるインスタント・バンドの宿命か。

Personnel:
Greg Cohen – bass
Mark Feldman – violin
Erik Friedlander – cello
John Zorn – conductor

 ゾーンの指揮の様子は、この映像見てると何となくイメージが湧く。まるでゾーンが最初の聴衆にも見えるが。




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