TZ 7338:John Zorn "IAO"(2002)

 ジョン・ゾーンのオカルト趣味が炸裂した一枚。

 顔ぶれから多彩なインタープレイを期待するが、抽象的な音楽が続く。あくまでゾーンの作曲作として聴くべきだろう。
 アレイスター・クロウリーと、フォロワーのケネス・アンガーにインスパイアされた作品で、オカルティックなタイトルとともに楽曲にも、数秘術が施されているかも。

 オカルティックな作風はクラシックでなくコンボ編成で仕立てた一枚。ミュージシャンはゾーンゆかりのメンバーが並ぶ。ただし楽曲ごとに参加ミュージシャンを分けおり、アンサンブルの妙味は低い。ドリーマーズやエレクトリック・マサダを期待してはいけない。
 Rebecca MooreとJim Puglieseの参加が珍しい。ジムは若干、TZADIKのつながりあるがレベッカは不明だ。ニッティング・ファクトリー時代のライブ仲間だろうか。

 アンビエントでメロディの希薄な(1)で幕を開け、呪術的なパーカカッションとドラムのリズムが延々と(2)は続く。(3)はオルガンのアルペジオを素地に、パーカッションがエキゾティックに鳴った。ピアノがダビングされ、前のめりのコード連打を冷たく弾く。
 
 (4)では電子音楽。誰の演奏だろう。パーカッシブな響きが静かに重なり、高周波が緩やかに空気を震わせた。ゾーンにしては珍しい形式の楽曲だ。残響の奥に幻想が広がった。密やかなアンビエントだ。色合いは透明に、奥行を深くした。

 (5)は残響を生かした密やかな女性ハーモニーが響く。生硬なハーモニーに載った、主旋律はメロディ要素を低くして囁きや吐息を聴かせた。アカペラを基本に、うっすらと鍵盤がオブリを奏でるときも。即興要素は低く、おそらくゾーンの譜面モノだろう。

 ハードコアな(6)はムーンチャイルドに通じる。この作品がきっかけかもしれない。パットンの無機質なシャウトが轟き、重たいエレキベースとギターが猛然と突き進む。本盤の中で、唐突に炸裂するため少々驚いた。
 ふたたび静謐な(7)へ。残響を残した鍵盤の爪弾きへ、密やかにパーカッションが寄り添う。

しかしゾーンはどこでサックスを吹いてるのか。

Personnel:
John Zorn - alto saxophone
Rebecca Moore - violin
Jamie Saft - keyboards
Greg Cohen - bass
Bill Laswell - electric bass
Jim Pugliese - drums
Cyro Baptista - percussion
Jennifer Charles - vocals
Beth Anne Hatton - vocals
Mike Patton - vocals


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